今日から4月になり、親族の子どもたちも入学や進学の準備が本格的になってきました。
私達の、発達面に凸凹のある子どもたちの場合、小学校や中学校、高校という新しい組織に入るということは「未知の世界に入り込む」ことに対しての、様々な難局に直面することを意味しています。
大勢の一般の定型と言われるお子さんの場合は、入学して「から」少しずつ、新しい方式、新しい友だち、新しい学習に「慣れていく」ということができます。
一方で、私達の凸凹を内部に持つ子どもたちは、「慣れる前に不安になったり・失敗したり・百ゼロ思考でもうだめだ、と思い込んで早いうちに精神的にダウンする」ことのほうが定番ではないか、と思います。よって、「入学や進学の準備をする=入学後に精神崩壊せず・なんとかやっていけるようにしておく」という意味合いの方が強いです。
保育園や幼稚園から小学校へ入学する子たちの場合は、「小学校とはなんぞや」という根本的な、小学校では説明がそこまでされないような内容を主に教えていく必要があります。親が想像する以上に、子供は「何も知らずに小学校へ入学していく」ということが顕著にわかる本がこちらです。親族間では、小学校に上る前に子供に何を教えて行けばいいのか、の内容をここ数年ではこの本を主に参考にすることが多くなってきています。
本の紹介文を抜粋してみます____
「チャイムが鳴ったら席に座る」
「引き出しから物を出す」
「プリントを後ろにまわす」など集団生活のルール
1 はじめる前に(準備すること/基本的な教え方 ほか)
2 授業(学習用具を区別する/先生に注目する ほか)
3 朝・帰りの用意(朝の用意をする/提出物を出す ほか)
4 給食・掃除(給食の用意をする/給食当番の用意をする ほか)
5 教科別(体育の着替えをする/集合して整列する ほか)
ここまで____
上記を見てわかるように、「小学校に入学したら、とりあえずやりながら覚える」というのが小学校の定番ですが、それでは「曖昧すぎる」ため、自分が何をしているのかわからず不安に押しつぶされながら小学校生活を1日、また1日と過ごす=小学校という組織が理解できないまま、精神的にパニックをしながら迷走する、ということになりやすいのが私達の子供たちです。
そのような迷走で不安や失敗の連続で疲弊すれば、「怖い」「何をしてもうまくいかない」という結果で、学校生活がままならなくなります。不登校になったり友達ができない、不適切言動が出る、成績がふるわない、などの結果はほとんどが、この「小学校という新しい組織がわからないまま、迷宮に入り込んだから」という精神的な混乱の結果であることが案外、多いと思います。それぐらい、「未知のことに自力で向かっていく力が弱い」のが発達凸凹の子たちであり、逆に言うと、この弱い部分を補強しておいてあげると、それなりにえっちらおっちらしながらもやっていけるわけです。
こうした本を参考に、ちらちらと子供に情報をそれとなく与えたり、ぬいぐるみでごっこ遊びをしながら「チャイムがなりました!席につきましょう!」という遊びを、交代で先生役になってぬいぐるみを従えさせる、などの遊びで「経験させておく」など、子供それぞれに合う方法で「小学校とはこういうもの」という新情報を注いでいきます。
「小学校というものがわかっていない状態」を安定させる・先を見通せない性質の子に「パターンを教える」ことで、入学日当日から先生の指示が「わかる」ようにする、小学校の「当たり前のルール」が自分の子供も「ルール」として理解し実行できるようにしておくことが、結局は小学校で子供がそれなりに、混乱せず、迷走せず、それなりにやっていけることに繋がります。
過去記事にも、この内容は書いていますので参考に出しておきます。
小学校に入学する前に知っておくと助かること。親族が見つけた入学準備の指南書、ご紹介。
Z会さんに申し込んでもらえる最初のスタートキットらしきものは子どもたちにとって必要な情報がつまっているので、5月あたりの中間テストを迎えるまでは3月から5月まで教材を使う感じです。その後、続けるかは家庭によりまちまちです。学習内容は子供のレベルに合っているかどうかを判断して、継続したり終了して別の教材を見つけたり、ということをしています。
Z会の場合はiPadがあればタブレットで「映像学習」を見ながらテキストに書き込んで学ぶ、という中学校の実際の授業の練習ができるので、「先生の話を聞きながら書く」という自主学習、ノートを取る、というお稽古用に利用している家庭もあります。タブレットだけで学習を目的とするのではなく、どちらかというと
「映像を見る=先生の話を聞く」
「先生の指示に従ってテキストに書きこむ=ノートのとり方を学ぶ」
「話を聞いて、要点を書くという同時作業を体験する」
ことができる、という一点で利用価値を見出している感じです。
学習内容に関しては、「国語」の教科の評判がいいです。「国語」というものがわからない、「文章を読んで答える」ということ自体がよくわかっていない子供には特に、「文章とはなんぞや」「何を手がかりに、読み解いて答えていくのか」という根拠を明確にしながら話してくれますので、具体性がないと理解できないタイプの凸凹がある子には向いている教材かなと思います。
今日はいつもの、不登校の子たちの学習サポートを私の家でする番なのですが、Z会のタブレットを使って学習する子たちがちらほらいます。指導する方も映像の先生の話を小耳に聞いて「なるほどな」と思うこともあり、学習指導の参考にさせていただいています。
とにかく、私達は本でも塾でも、通信教育でもなんでも「使えるもの、役立つものは使う」主義です。親が全部をトータルに一から考えてサポートなんてできませんから、それぞれの分野で、それぞれの専門家が書いたもの、作り上げたものをうまく活用して、「子供に合うかどうか」を親は判断して、「子供が受け入れやすい方法で」情報提供していく感じです。
無理に読みなさいとか、これをしなさいと言っても「与え方」が子供に合わないと子供側で「どんなに良い教材・指南書でも受け付けない」ので、親が頭を悩ませながらあれこれ試行錯誤するのは、この「タイミングや与え方、導入の仕方」を考える部分です。
今日も不登校の子どもたちは個性豊かで、誰一人として同じやり方で同じ受け取り方をする子たちではないので、それぞれに合った方法で、それぞれに合った話し方や関わり方を模索しながら付き合っていきます。
でもそれだけで子供は案外、伸びていくものなので、試す側としても面白いなと思う部分でもあります。今回は子どもたちに実際に「今」使っている参考教材についてご紹介してみました。