にー♪ 【第5話】 アイス食べるー? | ロボットなおたん

ロボットなおたん

天然系美少女ロボット『なおたん』と『ぽん博士』『かえぽ助手』のゆるゆるな日常。
Negiccoがモデルの空想小説です。

-世界ロボットフェスティバル-

 

毎年世界の主要都市で開催されるロボットの祭典。各国のロボット研究家たちが作成したロボットが一般公開される大イベントである。世界の有名なロボット工学博士たちが開発力を競う場でもある。

今年の開催国は日本だった。

 

会場に来ていた、かえぽ助手となおたん。

 

かえぽ助手「博士はやっぱり今回も参加しなかったなあ。。せっかく今回は日本での開催だったのに。これだけ世界トップレベルのロボットが集まるイベントなんて他に無いんだからねえ。。」

 

競うことに興味の無いぽん博士は毎年このイベントには参加しなかった。

今回も「私にはそれよりも、もっと、もっと重大なイベントに参加しなければならないのだっ!!」、、と言って、ウニッコのライブを観に行ったのであった。

 

なおたん「そーだよねー!ぽんちゃ、モッタイナーイ!モッタイナーイ!だよねー♪ これだけ美味しいもの、たーくさんあるのにねー!それでねー、さっきからねー、アイスクリームたちがねー、私を呼んでいるんだよー!、、ねー、ねー、お呼ばれしていーい?いーよねー、いーよはまだ16だーからねー♪」

 

かえぽ助手「あなたはどこに来ても食べものの話ばかりねえ。。」

 

かえぽ助手が会場に来た一番の目的は、今回のフェスティバル最大の目玉のロボット『堀サキ』を観るためであった。

堀サキは AI (人工知能)搭載の人間型ロボットである。外観はどこからどうみても人間にしか見えない。会話能力、表情や仕草も他の AI 搭載ロボットの能力を遥かに凌駕していた。発表当時は「人間が演技をしているのでは?」と疑われたくらいである。

美人の顔で日本のアイドルのような雰囲気を持っていて「ほりてぃー」の愛称で大勢の人たちから慕われている。世界で最も注目されているスーパーロボットなのである。

会場では堀サキと会話が出来るイベントが始まっていた。順番待ちの人で長い列が出来ていた。

 

堀サキの開発者である昇々(しょうしょう)博士は、同じ会場に来ていた。アメリカにあるロボット研究所『アップアップ研究所(仮)』の代表。ロボット工学では世界トップレベルの工学博士である。

最新作『堀サキ』の完成度には十分満足していた。このロボットを超える人間型ロボットは他には存在しないという自負があった。

 

かえぽ助手「えー!?ほりてぃーの列に並べるのって小中学生だけなの!?。。そうかあ、、これだけ人気あるんだもんね。なにかしら制限しないとキリが無いもんねえ。。」

 

なおたん「かえぽ、ランドセル担げば小学生になるよー!、、えーと、小学20年生くらいかなー?、、あとはねー、喋り方だけ小学生っぽくすればイイんだよー!『小学生でおますー!』とか言ってー♪」

 

かえぽ助手「小学校は6年生までしかないのよっ!、、てか、そんな喋り方の小学生がいるかっ!!」

 

仕方が無いので、なおたんだけが列に並んだ。3段重ねになった朱色のアイスを美味しそうに舐めながら。

 

なおたん「かえぽ、アイス食べないのー?美味しいよー♪」

 

かえぽ助手「後で食べるわよ。『普通の味』のを。。いーい。ちゃんとおとなしく並んでいるのよ。ほりてぃーにヘンなこと喋っちゃダメだからね。それと、ほりてぃーがどんなロボットだったか後で教えてね!」

 

なおたん「了解ねぎねぎー!いつも通りの言葉で話してくればイイんだよねー♪」

 

かえぽ助手「そのほうが心配なんだけど。。」

 

並んでから数十分後。ようやくなおたんの番が回ってきた。

 

なおたん「ほりてぃーちゃーん♡、私なおたん!こんにちねぎねぎー♪ ねー、ねー、ねー!アイス食べるー?これ『かんずりアイス』って言うんだよー♪ この会場にしか売って無いんだってー!かんずりわかるー?辛いけど旨いんだよー!だけどアイスは甘くないとヘンだよねー!なのに辛い味入れちゃったんだねー!ヘンだよねー!だけどお美味しいよー♪」

 

堀サキ「ナおたんちゃん、こんにち、ねぎねぎ?、、わー!おいしそうだネー♪」

 

昇々博士「!!??」

 

堀サキの近くには昇々博士も居た。それまで笑顔を絶やさなかった博士の表情が「その名前」を聴いた途端、一瞬だけ固まった。

 

昇々博士「(確かに『なおたん』と名乗った。。いや、しかし、、偶然だろう。まさか、、そんなことは。。)」

 

なおたん「ひとくちだけだよー!ぺろってしてねー!だけど今回はすぺさるさーびすでふたくちオッケーちゃんだよー!ぺろぺろってなめてイイよー♪」

 

堀サキ「アりがとう!嬉しいナー!」

 

研究員A「ああああああー!ゴメンねー!お嬢ちゃん!ほりてぃー、お腹いっぱいなんだってー!ありがとうねー!。。はーい次の方どうぞー!」

 

堀サキ「アッ、、」

 

なおたんが堀サキに本当にアイスを食べさせようとしたので、側に付いていた研究員が慌ててフォローに入った。普通のロボットは食事なんて出来ないのである。。研究員は堀サキのイメージを壊さないように気を遣い、『ロボットだから食べられない』という表現は避けたのである。

 

なおたん「あれー?お腹いっぱいなのー?ふーん。そうなのかー♪ ほりてぃーちゃん、また今度ロイチンねー!今度は沢庵味のアイス持ってくるからねー!待っててねー♪」

 

堀サキはしばらく、なおたんを見ていたが、次の子供の相手をするように研究員に促されていた。なおたんの番が終わってからも、堀サキ目当ての小中学生の列は延々と続いていた。

 

待っていたかえぽ助手と合流するなおたん。

 

なおたん「ほりてぃーちゃん、可愛かったよー♪ あのねー、かえぽよりねー、チョットだけ可愛かった!、、んー、、チョットじゃないかー、とっても、すっごくすっごく!、、あー、だけどねー、前歯はかえぽが勝ってたよー!ヨカッタねー♪」

 

かえぽ助手「はーい、はい。そーでしょーよ。。てか、なにが『ヨカッタねー』よ!」

 

なおたん「アイス、ひとくち、、じゃない、ふたくち上げようとしたんだけどねー、ほりてぃーちゃん、お腹いっぱいなんだってー!\ざんねーん/」

 

かえぽ助手「ロボットにアイス上げちゃダメでしょ!、、壊れちゃうでしょ!」

 

なおたん「ふーん。そうなのかー♪ 私、アイス食べても壊れないけどなー!お腹イタタになったら正露丸飲むから、だいじょビームだよー♪ かんずりアイス美味しいなー!うーん、、かんずってる~♪」

 

かえぽ助手「『かんずってる』ってなに?」

 

そんなアホな会話のやり取りを近くで見ていた男性が居た。昇々博士だった。昇々博士は堀サキのイベント中、「なおたん」と名乗っていた女の子が気になり、その子とサキの接触が終わってからも気づかれないようにコッソリと後をつけていたのだ。

 

昇々博士「(この美人の女性!。。覚えている!このチャーミングな前歯も覚えている!。。何年か前の世界ロボット会議でぽん博士と一緒に居た女性だ。たしか『かえぽ』という名前だった。。そうか。やはりこの女の子はあの『なおたん』なのか。。ぽん博士、、あなたはやっぱりスゴイ人だ。。)」

 

夕方になり、堀サキのイベントが終了した。

アップアップ研究所(仮)の控室。

 

研究員A「やはりサキの注目度は高かったですね!」

 

研究員B「あ~!ものすごい人数が並んでいましたねえ!!」

 

研究員A「いやー、それにしても、サキにアイスクリーム食べさせようとした女の子にはビックリしましたね!いくらサキでも流石にアイスは食べられないからねえ(笑)。。でも仕方無いか。小学生くらいの女の子がサキを見たら、ロボットでは無くて普通の人間の女性にしか見えないのも無理は無いですね。」

 

研究員B「あのリアルさは、世界の人間型ロボットの中では群を抜いていますからね。今日披露した最新バージョンは、関係者じゃなければ、ロボットだってわからないんじゃないかな。」

 

昇々博士「ああ。。私でも最初はわからなかった。今でも信じられん、、本当にロボットなのか、、!?」

 

研究員A・B「あはははははっ!」

 

研究員AとBは昇々博士が冗談を言ったのだと思い、大きな声で笑った。しかし、昇々博士の顔は笑っていなかった。

 

昇々博士「あ、いや、、サキのことではないんだ。。」

 

堀サキ「、、ナお、、た、ん。。アイス、食べたかったナ。。」

 

 -END-

 

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なおたん「読んだらクリックしてねー♡」

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なおたん「Negiccoニューアルバム〜♪2018年7月10日(火)リリース!『MY COLOR』のティザー映像だよー♪」