新車販売に占める5ナンバー車の比率が、昨年初めて3割を切ったというのがニュースになっていた。

その一方で3ナンバー車は36%となっていて、軽自動車も増加ということらしい。ニュースでは、プラットフォームの共通化などの生産効率化が原因とされている。税制的に、昔とは違って車体サイズによる差別がなくなって久しく、3ナンバーでも低排気量の車であれば、税的な負担が大きくならないというのも理由としては大きいと思う。

昔「大衆車」と呼ばれていたクラスの車は絶滅した。ブランドとしては残っていても、それをそのクラスに当てはめることはおかしい状態になっている。カローラスポーツの値段が300万円とか、昔を知る人には信じがたい状況でもある。

一方で、道路の幅などを考えるとき、3ナンバーの車では取り回しに困る場合はまだ多いと思う。そういう手合は軽を買え、という議論は乱暴に過ぎるし、軽がカバーしきれない部分もある。

この手の議論って、常に需要云々な話になる。昔、MT搭載車が激減したときにもこういう話はあって、とあるディーラーで、僕が「MTラインアップがないんですね」という話をしたときに、営業担当が「引き合いはあるが需要がない」という非常に矛盾した回答をしてくれたことを思い出す。車で言えば小型ピックアップトラック、FR、直6、クーペ、セダン、大型ミニバン、まぁ枚挙にいとまがないが、こうして消えていったりマイノリティになっている部類のものって、全部「効率化」の名のもとにぶった切られたものだ。

何が言いたいかっていうと、こういう話って、「需要がない」のではなく、メーカー側が「選択肢を与えない」だけなのだ。だからなくなった選択肢は売れ行きが減る。当たり前過ぎる話で、だけどニュースでは「減ったこと」に視線が集まり、分析として「小型車離れ」みたいな話が独り歩きする。「今後も3ナンバーと軽自動車の2極化がが進む」のはいいんだけど、それを誰が主導してるのか、そこまで踏み込まないとダメだと思う。