江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

ネット署名「江戸川区の制服を選択制にしてください!」によせて

2020-07-30 | 随想
先日、「江戸川区の制服を選択制にしてください!」というネット署名に賛同した。
何人かの友人・知人にも「あなたも賛同しませんか」とメールでお願いした。

経験したことのないコロナ禍のただなかで、通常ならありえないことが起きていることをこの署名で知らされた。

6月、地元の議員さんから「分散登校を男女別で実施している
学校はないだろうか」と問い合わせがきた。
まさかそんな時代錯誤のことはありえないだろうと、その旨返答した。

数日後、テレビでK区の中学校の男女別分散登校をしている様子が放映され、びっくりした。
さらに驚いたのは、地元の江戸川区でも男女別分散登校をしている学校があったということだった。
 
ネット署名を始めたのは、自らの性を男性と認識する江戸川区在住の高校生。
署名開始のきっかけは、新型コロナウイルスによる休校から学校が再開され、
区内の中学校で男女別の分散登校が実施されたことだったという。

「スカートの制服を毎日、血反吐をはく思いで着て学校に通った」
高校生は、「自分のような子は苦痛だろうな」と、「江戸川区の制服を選択制にしてください!
と母校を含めた江戸川区の全区立中学校の制服を選択制にするよう、区に求めるネット署名活動を開始した。

さらに、学校には制服や名簿など、男女を区別するものが根強く残っていることも、
「不登校や、時に命にもかかわる問題だと知って、対応してほしい」と訴えている。
 
2月末、安部首相は突然、全国の学校の一斉休校を要請し、学校現場は混乱を極めた。
課題の受け渡し、保護者への連絡体制などを作成する際に機械的に名簿順にグループ分けをしてしまい、
結果、男女別になってしまった学校もあったとも聞く。
後に弊害に気づいて変更しようと試みたが、一旦動き出したものを変えることは難しかったという。

調べてみれば、各地区でも、意図したわけではなくても、男女別分散登校を実施してしまった学校があったかもしれない。
とすれば、男女を区別する男女別名簿を使用していることも問題になる。

23区の約半数の区では、男女混合名簿が実施されているが、江戸川区では未実施の学校が少なくない。
「制服の選択制」とともに「男女混合名簿の実施」も区に要請し、働きかけていくべき課題である。

世田谷区では、昨年4月から、全ての区立中で制服を自由に選べるようにしたという。
千葉県柏市立柏の葉中も、性別に関係なく選択できるという。
江戸川区もぜひ改善してほしい。

一人のトランスジェンダーの高校生の真摯な訴えに、今一度、教育に携わるわたしたちの一人一人が耳を傾け、受けとめたいと思う。

江戸川区長・教育長あてのネット署名は目標15,000 人、現在1,444人の賛同を得ている。

もう少しで目標達成!
さらに応援していきたい。


<K>

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