江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「表現の自由」は人権を守るもの

2019-10-22 | 随想
8/14付のブログ記事『芸術とは何か…。表現の自由を権力が検閲・統制する末恐ろしい今の社会』に関して、「表現の自由が大事ならヘイトスピーチも許されるべきですね?」というコメントが投稿されていました。

この類の意見は決して珍しいものではありませんが、私が違和感を持つのは、この投稿をされた方はいったいご自分をどういう位置に置いてものを語っているのか?という点です。

「表現の自由」を傘に自分が「ヘイトスピーチ」を行いたいのか、あるいは、「ヘイトスピーチ」は許すべきではないから「表現の自由」は尊重しないのか…。

いずれにしても、「表現の自由」について主体的に考えているわけではないと思います。
ただ、表現の自由を検閲・統制する権力批判を行ったこのブログ記事に対して、感情的に反発してコメント投稿されたのでしょう。

端的に言って「表現の自由」という概念を弄んでいるとしか思えません。

因みに「ヘイトスピーチの規制」と憲法21条が保障する「表現の自由」との関係性について法務省は、「人権を侵害するヘイトスピーチは、『表現の自由』として守られる対象にはならない」という見解を示しています。

2016年6月に「(略称)ヘイトスピーチ規制法」が制定されましたが、これには罰則規定がなかったため、2019年6月に川崎市は刑事罰の伴うヘイトスピーチを規制する条例素案を議会に提出しました。
パブリックコメントを受けて12月の市議会に条例案として提出する予定です。

以下に、関連資料を掲げます。

http://www.moj.go.jp/content/001276620.pdf


http://www.city.kawasaki.jp/templates/pubcom/cmsfiles/contents/0000108/108585/20190624soan_hp.pdf


今回、あらためて「表現の自由」にまつわる件の一部を検証しましたが、SNS全盛の時代とも言うべき今日、現政権の思惑とも相まって立憲の思想を蔑ろにしつつ人権無視の言動が横行している事実を放置するわけにはいきません。

私たちは、今後ともそうした観点から権力を監視する目を緩めることはありません。


<表現の自由者>

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