高齢者の生活とはどんなものか | みんなでつくろう地域医療~あいかが住む未来のために~

みんなでつくろう地域医療~あいかが住む未来のために~

ひとり娘が生活する未来のために地域医療についていち理学療法士と父親の視点から考えていきます。

高齢者の生活はどのように変化しているのでましょうか。平均寿命は男女ともに80歳を超えています。30年前と比べて男女ともに5歳以上寿命が伸びています。人工ピラミッドでも1990年では飛び出て多かった40から60代が、当然ですが30年で上にシフトしています。人口が多い世代であっても、亡くなる人工が減少しているのは確かでしょう。

以前は金さん銀さんが100歳で日本国中がすごーいと騒いでいたこともありました。しかし、現在では100歳以上が万単位でいらっしゃるそうです。そして、テレビなどで紹介される100歳の方は、水泳、陸上や肉食などなどまさにいきいきされている方ばかりです。anti-agingや介護予防という言葉と活動の効果でしょうか?


高齢者の方々の生活の一部はこういった生活でしょう。私たちが伺う100歳近くの方の生活はどうでしょうか。高齢者専用賃貸住宅にお住まいの方は、同じ建物内でお友達を作りつつ、子供や孫、ひ孫と会う機会を適宜作って生活しています。また、この方は、色々なことに興味を持っておられます。携帯電話や季節のはがき作りなどがそれです。ある方は子供たちの家を期間ごとに移動して生活しています。子供たちやお嫁さんたちとの関係が悪いわけではなく、応能介護負担とでも言いましょうか、介護負担を家族で分け合っている形です。タバコを吸いつつ、家族や知り合いに時々贈り物をして、ほとんどは横になったり、起きてテレビを見たりという生活です。ご自分の希望はある程度と通っているようです。ある認知症の方は家族と生活しながら、デイサービスでレクリエーションを楽しみ、時々ショートを利用されています。テレビや新聞に注意が向き始めるとずっとその作業を続けています。でもそのお顔は穏やかです。何かを強く要望することもありません。

もともとあるその人らしい生活の延長に、いわゆる活動と参加があるはずです。身体の構造と機能は知れば知るほど奥深いですが、知識として技術としては体系化しやすいと私は思います。しかし、活動と参加はその人らしいとなると何がその人に生きがいを与えるか、何がその人にとって能力を十分に引き出せるものなのかは1つには絞れません。提供できるものは数限りなく存在します。何もしたくないという人に何を言っても参加につながらないことも多々あります。

やはりマズローの自己実現のピラミッドが活動と参加を目的としたアプローチの的をいているのかもしれません。ならば、極限まで健康感や所属の欲求を高めることができれば自ずと目標が見えてくるのでしょうか。