「ヌーソロジー理解のための物理数学教室」を終えて

意識物理学研究所の佐藤氏主催の「ヌーソロジー理解のための物理数学教室」に月1回、講師として参加させてもらったが、先日6ケ月にわたる第1期を終了した。受講メンバーの皆さん、お疲れさまでした。
 
6回のシリーズを終えて、改めて感じたことなのだけど、量子力学は早く新時代の霊学として見なされるようにならなければいけない。
 
量子力学というと、未だに、それは物質に関する学問であり、物質を作っている素粒子という小さなつぶつぶの世界の物理法則等について、事細かに調べている学問のことではないか、というイメージが一般にはある。おそらく、物理学者の中にもそういうふうに理解している人も多いかもしれない。
 
しかし、そういうイメージで量子を理解することは100%間違っている。それは「世界が物質でできている」という人間の世界認識のスコープの網にすくい取られた素粒子イメージであって、その網は恐ろしいほどに穴だらけで、そこには素粒子の実在性は何一つひっかかってはいない。量子は、もともと”外から観測される存在などではない”のだ。
 
宗教や哲学をやってる人は、量子力学と言えども、「所詮、物理学」などと言って馬鹿にする人が多い。しかし、奥行き(持続)を通して量子空間がイメージされてくると、これこそが霊的認識と呼ぶものでは?という感覚が凄まじい強度で上がってくる。構造の詳細が描像の中で一致すればするほどその強度は増し、非物体的なものでできた精神のオルガネラとして存在している自分を強く感じてくる。
 
世界は物質ではなく、こうした非物体的な何ものかで出来上がっている。そのような認識が具体的に素粒子レベルから立ち上がってくる時に、初めて世界全体が従来とはまったく違ったものに見えてくるようになる。自然界はもちろんのこと、他者も、社会も、歴史も、人類も、そして、それらに対峙して生きる「自己」という存在自体も。。
 
「物質世界は幻想」という人たちは多数いるが、多々言われている従来の精神世界も同じ程度に幻想だと考えた方がいい。両者は「世界が物質でできている」とする意識形態の表と裏のようなものだ。この二つの幻想を卒業するためには、空間を正しく見ていくための高次元知覚が絶対に必要となってくるだろう。量子力学が浮かび上がらせてきた物質の根底世界の構造は、今後、確実にその高次知覚誕生のトリガーとなっていくはずだ。

素粒子