9年前の8月の暑い日、クルーズ船のシルバースピリットに乗ってヴェネチアを出発して5泊6日、ローマの西北西にある港町のチヴィタヴェッキアに到着してクルーズ船から下りました。実は元々は同じ日程でヴェネチア発着のクルーズ船を予約していたのですが、そのツアーが直前にキャンセルとなってしまい、似たようなクルーズ旅行を探したのでした。当初の予定で予約していた下船後のヴェネチアのホテル2泊と現地ツアー、帰国のヴェネチア発のフライトは変更できず、下船後に再び空路でローマ・フィウミチーノ空港からヴェネチア空港へ戻ることとなってしまいました。急な変更ではありましたが、知り合いのタクシー運転手さんにお願いして、フィウミチーノへ行く前にチヴィタヴェッキアとローマ近郊を観光することにしました。
こちらは日本聖殉教者教会です。日本から遠く離れたティレニア海 Mare Tirreno に面した町の教会に日本の着物を着たマリア様が描かれていたなんて、ちっとも知りませんでした。タクシーの運転手さんは以前お世話になった中橋達也さんです。シルバースピリットを下船するポートに出迎えてくださいました。
クルーズ船の寄港地となるチヴィタヴェッキアにはこんなに広々としたポートがあります。そしてチヴィタヴェッキアといえば、まずは慶長遣欧使節団として1615年にこの地に上陸した支倉常長(はせくらつねなが)が日本では有名です。
町の中に支倉常長の銅像がありました。彼が伊達政宗の命で教皇パウロ5世拝謁のためにローマへ向けて出航した石巻市がチヴィタヴェッキアと姉妹都市になっていて、この銅像が造られたのだそうです。
続いて日本聖殉教者教会 Chiesa dei Martiri Giapponesi。ここに最初に挙げたフレスコ画があります。
ぐるり円形の壁には日本人の殉教者が描かれていました。
これらのフレスコ画を描いた長谷川路可はチヴィタヴェッキアの名誉市民だそうです。
それにしても驚きました。こんな遠くに日本のモニュメントがあるのですから。
今度は日本とは関係ありませんが、チヴィタヴェッキアにあるサンアゴスティーノ教会、ここには血の涙を流すというマリア像があり世界中のカトリック教徒に注目されたそうです。
高さ30cmほどの銅像です。左の頬にあるという血の涙の痕はあるかなきかですね。ここは実は数年前まで信者でごった返したということでしたが、この日は閑古鳥でした。こんなところもあるチヴィタヴェッキア、何とも不思議な町でした。チヴィタヴェッキアから、今度はローマ市街の南にある丘陵地のカステル・ロマーニCastel Romani 地方を目指して南東に向かいます。
カステルガンドルフォ Castelgandorfo はローマの南東にある避暑地で、アルバーノ湖というカルデラ湖があり、ローマ法王が夏の避暑地として利用される離宮がある場所です。
カステルガンドルフォに到着しました。
離宮の入り口にはスイス兵、どうやら8月20日のこの日にローマ法王が滞在されているようです。
のどかな避暑地の佇まいです。
傾斜地に建つレストランの向こうに湖面が見えますね。
アルバーノ湖です。日本の支笏湖に似ているようです。
カステルガンドルフォで、しばし和みました。
続いて、 子豚の丸焼き porchetta で有名なアリッチャ Ariccia へ。辺りはどこもかしこも豚の顔の看板が出ていました。ここでランチをいただきます。
どこもランチで混んでいました。タクシーの中橋さんと私たち4人、5人で入れるお店をようやく発見。Osterea der Borgo
は人気店のひとつです、
ピクニック気分で美味しいポルケッタやラールトなどをパンに載せていただきます。
お腹いっぱいになったあと、ジェンツァーノという町を通り抜けます。インフォラータと看板に書いてありますね。
インフォラータとは道路にお花を敷き詰めて、カーペットのように飾り付けるお祭りです。ここがその会場なのです。
こちらはアルバーノ湖の近くにあるネーミ湖です。避暑地なのに気温30度を越えていたので、クルマを降りて散策するには暑すぎました。
次は絶景レストランの Lo Zodiaco でアイスクリームたっぷりのデザートをいただきました。
ローマ天文台
のすぐ近くですので、ローマを一望することが出来ます。ローマ中心地やバチカンは既に来たことがありますので今回はタクシーの車窓から眺めるだけとしました。このあと、フィウミチーノに引き返してヴェネチア行きの国内線に乗ることとなります。続きます。