20代の頃聴いていた自分への応援歌は、アンヌ・ドゥールト・ミキルセンの歌でした | いばりこぶたの 気ままな生活

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私が大学に通い、恋をし、そして初めて仕事に就いた20歳台の頃は世の中はちょうど80年代でして、そろそろMTVのプロモーションビデオ全盛期の流行歌に飽きはじめ、次第にトレイシー・チャップマンやジュリア・フォーダムといったかっこいい女性シンガーソングライターの歌に傾倒しておりました。中でも自分への応援歌として聴いていたアンヌ・ドゥールト・ミキルセンの歌声は、今でもあのころの甘酸っぱい気分を思い出させてくれます。(2011年7月に書いた記事に筆を加えました。)

アンヌ・ドゥールト・ミキルセン(Anne Dorte Michelsen、1958年7月17日~ )はデンマークの歌手、シンガーソングライターです。Anne Dorte Michelsen(公式サイト)はこちら。そして完成形で詳細な日本語サイトはこちらです。実際の歌声はこんな感じです。

 

 

 

この『フォトリエ』という曲は山田太一のドラマ、『夢に見た日々』の主題歌でした。

 

以下は彼女の略歴です。

 

オーフスで教師の父、心理学者の母の間に生まれる。幼年期から母にピアノを学んだ。12歳のときにキャロル・キングの影響で作詞作曲を始め、いくつかのバンドにも所属。またハルフダン・ラスムセンやアストリッド・リンドグレーンを愛読した。デンマーク高等学院卒業後、デンマーク国営放送に入り、4年間プロデューサーとしての教育を受ける。次いでジャーナリストの学校に2年間通う。並行して1981年からロックバンドのトゥサドレンゲーナ(Tosedrengene)で、ヴォーカル、作詞を担当して6年間活動し、5枚のアルバムをリリース。

 

 

 

1983年にビリー・クロスのプロデュース(3作目まで)でソロアルバムMellem Dig og Migを発表し、ベストセラーとなる。またフリージャーナリストとして、エッセイ、詩を発表する。1986年にセカンドアルバムNaste Dansを発表、日本では同年「アンヌ・ドゥールト・ミキルセン」の題で発売。1989年にプロモーションのため来日。1990年には東京、横浜、大阪、名古屋でコンサートを行う。また1990年には、ハルフダン・ラスムセンの10編の詩に曲をつけたアルバムDen Ordlose Timeをリリース。

 

1986年に娘を出産。自身ではアフリカ音楽の影響を受けていると語っており、日本では女性らしく繊細で透明感のある歌声で人気がある。

 

もちろんデンマーク語はさっぱりわかりませんが、彼女が歌う歌詞の語感やメロディラインが、、ちょうどそのころの自分の気分にぴったりはまっていたのだとしみじみ感じます。

 

 


最後は、今は亡き劇作家で演出家の如月小春(きさらぎこはる)さん(とても素敵な女性で大ファンでした)が5枚目のアルバムのライナーノートに綴った内容を転載して締めくくりたいと思います。

『心の歌声』  アンヌの歌声を聴いていると、いつの間にか、いろんなことを思い出している。  もう、何年も会っていない学生時代の友人と、大学の近くの喫茶店で、うまくいかない恋愛のことを小さな声で話し続けた時のこと。  まだ、ほんの子供だった頃に通学途中の電車の窓から見た夕焼け。  昔、気に入ってよく着ていた、コットンのワンピースの肌ざわり。  あれは、薄いローズ色だった・・・等々。  もう、ずいぶん長い間、思い出すこともなかった、そんな風景が、ふっと浮かび、そして消えていく。

 

 

 



辛かった思い出もあれば、晴れ晴れとした気分の思い出もある。その当時は、それがいつか思い出になるなんて思いもせずに生きていた 、それらの瞬間の数々。私の心の底にいつの間にか堆積していた記憶の数々が、アンヌの歌声によって呼び出され、ああ、あれらの時間こそが、私にとってはかけがえのないおもいでだったのだな、とわかるのだ。  気がつけば30年以上も生きていた、女として。馬鹿なこともやった。ほめられたりもした。やさしい人もいた。人を憎まずにはおれない自分が、嫌でたまらなくなったりもした。

 

 


 ーーーいいのよ、それで、そのままでーーー  私にはよくわからないデンマークの言葉で、たぶんアンナはそう歌っているのではなかろうか。そんな気がする。自分を愛して、自分を許して、そして、他人を、世界を、愛して、許して。もしかしたら、そんなどうしようもなく難しいことも、アンヌの歌と一緒になら出来るかもしれない。そう思えてくるから不思議だ。  やさしくて、強くて、大きくて、だけれど小さくて弱くて。泣いてばかりいて。    ーーーいいのよ、それで、そのままでーーー  アンヌは自分の人生を歌う。飾らずに、率直に。だからその歌声は、私の心の扉を開き、まるで私自身の想いのように心にしみわたる。

 

 

 

以上です。