―正宗の名刀は再現できる―

―正宗の名刀は再現できる―

自身を「スーパーメーカー」と称する鋼の研究者、古屋道正です。
世界に3人しかいないダマスカス鋼の再現者の一人です。
鉄・鋼に対するあくなき探究心を、ブログに少しずつ書き記していきます。名刀細川正宗は再現することができることを知っていただけることでしょう。

無銘正宗


正宗(まさむね、生没年不詳)は、鎌倉時代末期から南北朝時代初期に相模国鎌倉で活動した刀工。

五郎入道正宗、岡崎正宗、岡崎五郎入道とも称され、日本刀剣史上もっとも著名な刀工の一人。「相州伝」と称される作風を確立し、多くの弟子を育成した。

正宗の人物およびその作った刀についてはさまざまな逸話や伝説が残され、講談などでも取り上げられている。

「正宗」の名は日本刀の代名詞ともなっており、その作風は後世の刀工に多大な影響を与えた。

織田信長や豊臣秀吉に仕えた安土桃山時代の茶人・津田宗及の『宗及他会記』の天正8年(1580年)3月22日の記録に正宗が登場する。信長の前で脇指14腰、御腰物8腰が振る舞われたとある。茶事に信長を客として招き、当時の名刀を並べたのである。

Wikipediaより引用
Amebaでブログを始めよう!
包丁をさんざん焼き入れしてみたが、重要なのは水焼き入れならば、水温50℃未満として、2秒で刃の部分は完全に焼きが入ることです。


刀鍛冶の焼き入れを動画でみているとほとんどの刀匠が水に投入したら冷えるまで水に入れています。


NHKの数年前の放送で刀匠の焼き入れをやってましたが、ただ一人兵庫の明珍さんが2秒で引き上げを実践していました。


焼き割れという刃の膨張が急激な場合に起こる失敗は水に入れっぱなしのときにおきます。

私も包丁の刃の薄い場合に何度か失敗しました。

ところが、2秒水中冷却、その後引き上げて空中冷却を実践すると、全くといっていいほど焼き割れが起きません。


2秒のみ水中冷却をしたあと、放射温度計で包丁の温度をみていると、刃の部分は200℃ぐらい、棟側は350℃ぐらいです。


そのまま、放射温度計で温度を測りながらみていると、刃の温度はゆっくり下がります。200℃,150℃、120℃、100℃、80℃、50℃、30℃というようにゆっくり温度が下がります。


5~10分ぐらいで、そのように変化します。

刃の部分が50℃ぐらいになったら、焼き戻し油、185℃、に投入して45分おきます。これで焼き戻し完了。

焼き戻し油はステンレスのバットに入れて電気炉のなかで185℃に保つような設定にしておきます。

以上が、私の工房の焼き入れです。

反りはほとんど付きません。7寸で多くて2ミリ。
全く反らないこともあります。平均0.5ミリぐらいです。


始めから最終形態にしておけばいいので楽です。


反りすぎたなと思った場合には平の棟側を叩いて延ばして修正します。簡単です。