「引っ越し大名！」 ★★★☆～現代にも通じる愉快な時代劇コメディ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

現代にも通じる愉快な時代劇コメディ ★★★☆

（2019年／日本／120分） 【　監督　】 犬童一心【　原作・脚本　】土橋章宏

引っ越し大名三千里 (ハルキ文庫)

648円

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【　出演　】星野源高橋一生高畑充希小澤征悦濱田岳西村まさ彦松重豊及川光博富田靖子ピエール瀧飯尾和樹向井理

【あらすじ】

　時は江戸時代、徳川綱吉の時代。

　姫路藩藩主の松平直矩は、突如幕府に姫路から日田への“国替え”を言い渡されてしまう。城の藩士とその家族全員が日田へ移動するこの事業は莫大が費用がかかるものだった。

　いつも書庫に篭り書物を読み漁っている書庫番の片桐春之介は、人と話すのが苦手で周りから“かたつむり”とあだ名されていた。そんな彼が、国替えの陣頭指揮をとる“引っ越し奉行”に抜擢され困り果ててしまう。

　幼馴染の血気盛んな藩士・鷹山源右衛門とともに引っ越しの妙案を練るが、引っ越しの前任者はすでに亡くなっており、さらに困り果てる。そんな彼らに、前任者の娘である於蘭が協力、かくして国替えの火蓋は切って落とされた―

【コメント】

　さて、9月1日日曜日は、映画が一律1,100円で鑑賞できる日！ということで、今回鑑賞したのは、前々から予告を観ていた本作。時代劇コメディですな。

　2014年『超高速！参勤交代』の土橋章宏が原作・脚本となれば面白さは保証されたようなもの。必ずや楽しませてくれるだろうと、「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。思ったとおり、劇場内はじいさんばあさんで溢れかえってましたな。

　うむ、面白かった！笑いあり恋あり涙あり、江戸時代でもお金の苦しみは現代と同じ、現代にも通じる愉快な時代劇コメディでしたね。劇場内は爆笑とまではいきませんが、そこそこ笑いが起きてましたね。

　恥ずかしながら私め、江戸時代に国替えなる儀式があったなんて知りませんでした。現代でいえば転勤みたいなものか。藩主の裁量に応じて城がデカかったり小さかったり。東北に飛ばされたかと思えば今度は九州、また東北に逆戻りさせられたり。現代と違うのは、幕府はただただ国替えの命を下すだけで、引っ越しの手はずから費用はその藩ですべて賄えという無理ゲー。幕府のお偉いさんにペコペコしてなんとか国替えの難を回避しなくちゃいけない、こんなん藩主はたまったもんじゃありませんな。まあ、現代も同じようなことはそこらかしこの企業であるんでしょうが。

　そんな無理ゲーな引っ越しという一大プロジェクトを押し付けられた一藩士の悲哀と、周りが支え協力し合いアイデアを出しながら事を進めていく面白さ。一見頼りなさそうでも、引っ越しを通じて一皮も二皮も向け成長していく引っ越し奉行役の星野源は、まさにベストキャスティングだったように思います。気の強い於蘭役の高畑充希や、血気盛んな色男サムライの高橋一生もしかり。高橋一生も良かったですね～。私服がダサいとかもう言っちゃダメよ！ウォレットチェーンは僕も愛用してるんだから！