「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ英雄復活」 ★★☆～今さらな時代遅れ抗日アクション

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2019』の掲載にあたって」

今さらな時代遅れ抗日アクション ★★☆

（2019年／中国／91分／黄飞鸿之怒海雄风　Warriors of the Nation） 【　監督　】 マク・チーシン【　出演　】チウ・マンチェクムチ・ミヤウェイ・ニー澤田拳也

【あらすじ】

　下関条約が結ばれ、日本軍の侵略が始まろうとしている中国。

　帝国主義に反対するデモが起きるなか、白蓮教という謎の集団が突如現れデモと衝突する。武術家のウォン・フェイホンは、日本軍が彼らに賄賂を渡していたという噂を耳にし宮廷にこれを伝えるが、官僚たちは、王を人質とした反乱を企てていた。

　王を救うべく、フェイホンとその門下生たちは白蓮教の本拠地へ向かう―

【コメント】

　台風差し迫る週末の東京、週末は部屋に籠って映画鑑賞でもしようかと、行きつけのTSUTAYAで借りてきた一本が本作。先に観た復活作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ南北英雄』の続編ということで、残念ながら劇場未公開のDVDスルーとなりましたが、カンフー映画好きな僕にはたまらない作品ということで手に取った次第です。

　いや～、な～んか前作と違ってこりゃまた随分とチープな作品に成り下がってしまいましたな～。しかも、今さらマジかとツッコみたくなるような抗日が前面に出た時代遅れな内容で。まだこんな映画作って中国国民は喜んでいるのかと思うと開いた口が塞がらないというかなんというか。

　まず、帝国主義当時の日本人の描写が、1960～70年代の香港映画によく出てきた、一体いつの時代だよとツッコみたくなるような清々しいくらいに悪意に満ちた悪い日本人。日本領のセットや衣装もこれまた時代考証まるっきり無視、こんな日本人いねーよ！と笑ってしまうくらい典型的なヘンな日本。なぜいつも着物を着てる？なぜ日本女性はみな花魁なんだ？今もう2019年だぞ？あんな日本人、今さらどこの国もイメージしてねーよ。そんな日本人を、あの高貴で気高い人徳ある伝説の武術家ウォン・フェイホンが、クソヤロー死ねや！と汚らしく罵りながら超絶カンフーでやっつけるってんだから失笑するしかない。

　今時こんな映画作るかね～？まあ確かに中国じゃつい最近まで抗日ドラマが盛んに放送されていたみたいですけど、それでも余りにも想像だけ古いイメージだけで作りましたという感じがありすぎる。「イップ・マン」シリーズにも日本人は登場するけど、これほど悪意に満ちた表現はしていない。本当に中国国民はこれ観て凄いぞウォン・フェイホン！と盛り上がるのかい？バカバカしくて久々に笑いながら観てしまいました。

　まあでも、チウ・マンチェクのカンフーは相変わらずキレがいいし、敵役のムチ・ミヤの軟体カンフーもなかなか。あの時代に何故スポブラしてんのかは謎ですが。悪い日本人役で有名な澤田拳也も久しぶりに観たし、違う意味で楽しめた作品でしたかね。あのジェット・リーのシリーズがいかに出来が良かったかも再確認できましたね。

【2019年度 Myランキング】（9/7時点）

　本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

　久しぶりに腰やっちまった！

（ベスト）…　★★★☆以上が基準

　　１位：アベンジャーズエンドゲーム　★★★★☆

　　２位：ゴジラキング・オブ・モンスターズ　★★★★☆

　　３位：運び屋　★★★★

　　４位：翔んで埼玉　★★★★

　　５位：ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ★★★★

　　６位：クリード炎の宿敵　★★★★

　　７位：特捜部Q カルテ番号64　★★★☆

　　８位：七つの会議　★★★☆