「マーサイコパスの狂気の地下室」　★★★～イジメ、ダメ、ゼッタイ

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

イジメ、ダメ、ゼッタイ ★★★

（2019年／アメリカ／99分／Ma） 【　製作　】 ジェイソン・ブラム 【　脚本・監督　】 テイト・テイラー【　出演　】

オクタヴィア・スペンサー
ダイアナ・シルヴァーズ
ジュリエット・ルイス
ルーク・エヴァンズ

ミッシー・パイル

アリソン・ジャネイ

【あらすじ】

　母エリカの故郷であるオハイオ州に引っ越してきた高校生マギー。

　新しい学校でできた友達とパーティーをすることになったマギーは、お酒の調達の際にスー・アンという女性と知り合う。スー・アンは自宅の地下室をパーティー会場に貸し出し、次第に高校生たちの人気者になる。

　しかし、異様に執着するスー・アンのこと次第にをうっとおしく感じ離れていくが、スー・アンは異常な行動に出る―

【コメント】

　前回と一緒に行きつけのTSUTAYAで興味をそそったのが本作。ホラーものならうちに任せろ！なブラムハウスのスリラーものですな。

　天下のブラムハウス作品でありながらも、残念ながら日本では劇場未公開のDVDスルー扱いとなってしまいましたが、これは観ておいて損はないだろうと手に取ってみた次第です。

　うむ、なるほど。まあまあってとこですかね。悪くはなかったと思いますが、ぶっちゃけ、大してサスペンスフルなものでなく、イマイチ盛り上がりに欠けるスリラー映画でしたね。劇場未公開もちょいと納得の出来です。

　まあ早い話が、過去に学校で苛められ精神が歪んでしまった女が、大人になってもそのトラウマから抜け出せず大人になった同級生に復讐するって展開ですが、黒歴史の中学時代を送った経験を持つ僕からすれば主人公マーの気持ちは分からんわけじゃないんです。多感な時期に遭ったイジメ体験って大人になってもフラッシュバックするくらい鮮烈に記憶に残るもの。ほんの軽い気持ちでからかったいじめっ子側は成長するとともにそんなことはすっかり忘れて生活するのに対し、いじめを受けた側は人生の立て直しがけっこう大変なんです。僕はもう吹っ切れているし今現在が充実しているので大丈夫なんですが、そのトラウマから抜け出せないまま大人になってしまう人も少なからずいるわけですね。主人公マーはまさにそのタイプで、復讐というよりは暗黒の学生時代を取り戻そうと不相応な若者たちとパーティーに興じたりしてたわけです。

　監督かシナリオを書いた人は、おそらくそんな自身の体験を重ねたんじゃないかなと考えます。だけど、作品としてはイマイチエンタメ性には欠ける出来でしたね。もっとうまく作ればよい出来になったはずなのに残念。