「嘘八百京町ロワイヤル」　★★★～地味ではあるが日本的

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2020』の掲載にあたって」

地味ではあるが日本的 ★★★

（2020年／日本／106分） 【　監督　】 武正晴【　出演　】

中井貴一
佐々木蔵之介
広末涼子
友近
森川葵
山田裕貴
坂田利夫
前野朋哉
木下ほうか
宇野祥平
塚地武雅
桂雀々
吹越満
坂田聡
ブレイク・クロフォード
冨手麻妙
山田雅人
浜村淳
国広富之
竜雷太
加藤雅也

【あらすじ】

　テレビ番組をきっかけに京都で再会を果たした古美術商の小池則夫と陶芸家の野田佐輔。小池は一人娘と細々と古美術を営み、野田は贋作からすっぱり縁を切って陶芸教室の先生として働いていた。

　ある時、小池の店に、父親の形見である5000万円すると言われる古田織部の幻の茶器“はたかけ”をだまし取られたので取り返してほしいと、志野と名乗る女性から依頼が来る。

　志野にほだされた小池と野田は調査を開始するが、裏では有名古美術店と政治家が糸を引く巨大な贋ビジネスの陰謀が渦巻いていた。小池と野田は“はたかけ”を取り戻すべく、大がかりなコンゲームを仕掛ける―

【コメント】

　さて、今回行きつけのTSUTAYAでレンタルしたのは、中井貴一＆佐々木蔵之介のコンビによる騙し騙されのコンゲームコメディ「噓八百」シリーズ第2弾です。

　この「噓八百」なるシリーズ（2作しかないけど）、僕は存在は知っていたものの、特段マークすることもなかったんですが、たまたまTV放映されていた第1作が地味ながらなかなかに楽しめたので、よしじゃあちょっと第2弾を観てみるかと手に取ってみた次第です。

　うむ、今回もなかなか楽しめました。京の都を舞台としたいわゆる騙し騙されのコンゲーム、海外の名作『スティング』や『オーシャンズ11』のような派手さはない地味目なものではありますが、古美術品という日本ならではの題材を扱った愉快なコメディに仕上がってましたね。「コンフィデンスマンJP」のオッサン版取ったところでしょうかね。

　そのオッサンに中井貴一＆佐々木蔵之介という一流の役者を使っているので安心して観ていられるし、脇にもこれまた名バイプレーヤーが固めているので作りはしっかりしている。しかも本作のヒロイン、要するに不二子ちゃん的な立ち位置に広末涼子という、ぶっちゃけ超豪華な役者陣なわけです。

　正直、対して話題にならなかった第1作に続編ができたのは意外だったし、本作もまたしかり。これだけの役者ならギャラもハンパないはずだし、本作で一体どうやってお金を回収するのか不思議なところですが、作品としてはまずまずの出来。暇つぶしにはちょうどよいでしょう。