今日はつくば市の筑波山に行って参りました。

紅葉の期間に突入した為か、筑波山神社の境内で、あのつくば名物のガマの油売り口上を見る事が出来ました。

ガマの油売り口上とは常陸国筑波郡永井村(現在の茨城県土浦市永井地区)の兵助という香具師が紆余曲折を経て、郷里のガマの油を売り出す為に口上の文句を工夫し発展させて、江戸浅草の浅草寺の境内等で披露し評判になった物です。

そしてガマの油とは江戸時代の頃に傷薬として販売されていた軟膏の事で、当時はガマガエルの耳後腺や皮膚腺から分泌される蟾酥(せんそ)が使われていたとされ、昭和の太平洋戦争後は蟾酥の使用が規制がかかりガマの油の生産販売は中止になったそうですが、後に土産物屋で陣中膏を商品として販売する際に『ガマの油』の名称が使われる様になり、つくば名物のガマの油が復活する事になりました。

現在の筑波山周辺の店舗で土産物として販売されているガマの油は、ワセリン等を成分として使われているようです。

その筑波山神社の境内に着くなり、いきなりガマの油売り口上をやっており、その見事な口上を見る事が出来ました。


『御用とお急ぎのない方はゆっくり聞いておいで(中略)、手前に取りいだしたる筑波山名物のガマの油はガマと申しても只のガマとはガマが違う』


『(中略)山中深く分け入って捕いましたるこのガマを四面鏡ばりの箱に入れる時は、ガマは小野が姿の鏡に映る姿に驚き、タラーリタラーリと脂汗を流す、これをすきとり柳の小枝にて、(中略)トローリトローリと煮詰めたるがこのガマの油』


その後もガマの油売り口上が続きクライマックスに。


『これなる名刀も一たびこのガマの油をつける時はたちまち切れ味が止まり、押しても引いても斬れはせぬ』


『というてもナマクラになったのではない、このように綺麗に拭き取れば元の切れ味となる』



『このようにガマの油の効能が解ったら遠慮は無用だ、どしどし買ってきな買ってきな』


ガマの油売り口上、感無量です。

ガマの油売り口上の所では、ガマの油の販売はしてなかったみたいですが、筑波山の至る所にある売店で販売されておりました。
(ここだけの話、店によって値段が微妙に違う)

因みにガマの油とは丁度こんな感じの奴です。


中身はこんな感じです。



筑波山と筑波山神社の話はまたの機会に記事にしようと思います。

それでは筑波山神社の近くにある売店で飼育されていた本物のガマガエルの写真で、今回の記事を締め括ろうと思います。