プレミア考:馬質 | モモマルのスタホ手帖

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スタホは引退しましたが、競馬に関する話を書いています。


8月31日はサッカー日本代表がオーストラリア戦で快勝し、6大会連続でW杯出場を決めました。
サッカーの代表戦を見るたびに、代表のオーダーとプレミアのオーダーはちょっと似ているなと感じます。
選手の実績はもちろん、選手の個性、チームコンセプトとのフィット感、選手のコンディションを総合判断して、招集メンバー、先発オーダーを決定している点。
さらに、限られた試合で選手のフィット感やチームシステムをテストしながら本番に臨むというプロセスも、なんだかプレミアカップ編成に似ています。


スタホのプレミアの話をすると、
最近は8万枚を超える殿堂馬が巷にあふれ、9万枚同士の対決も珍しくなくなり、8万枚で1人気取れないことも日常茶飯事という事態になっています。
こうした殿堂馬枚数のインフレ状況において、ついに先週50万枚編成なる異次元オーダーも組まれました。結果自体は決勝でオール1人気3位。
ひと昔なら編成におけるエース級として位置付けられた7万枚も「勝負編成で使えない」という声もちらほら聞こえてきます。
競争優位性が薄れている7万枚馬をどう扱うか、というのは、ある程度のチームの編成者なら頭を悩ませているポイントだと思います。

そもそも“枚数”だけで馬の質を測ってよいのか、というのは進撃時代からのモモマルの問題意識です。
同じ枚数でも好走確率の高い馬とそうでない馬がいるのは今も昔も変わらないからです。


今回の福島開催において、注目すべき編成がありました。
当ブログでもたびたび取り上げている四皇です。
7.5万枚、8.2万枚、8.7万枚、9.6万枚、7.3万枚という布陣でS級2次予選を突破しました。
人によっては、「ダート1700を7万枚2頭で妥協して勝負した」と見るかもしれません。
僕が気になったのは5Rの馬です。
1次1着、2次は2番人気で1着という結果もさることながら、2次予選のオッズがまた面白い。



S級2次予選5Rの1人気は8.4万枚の6.5倍、2人気は四皇のペペシュナイダー号7.3万枚の8.8倍。
3人気以降をみると、8.0万枚9.1倍、7.4万枚10.8倍、7.3万枚11.1倍となっています。
ペペ号は適性の合致度で自分よりも上の枚数馬を凌駕した形です。
小回りダート1700という適性を合わせづらいというコースであるからこそ、ここまで差が出ていると思われますが、それでも強烈です。

さらに、ペペ号の過去の実績を見ると、またスゴイ。
4.7倍3着 
5.7倍2着
7.5倍1着
7.5倍4着
5.5倍1着
6.1倍1着
8.8倍1着です。

もはや、このペペ号を輝かせるために編成を組んだのではないか、「7万枚でも価値があるんだぜ」というメッセージが込められているのではないか、とすら思いたくなります。

このペペ号が1着(25p)~3着(12p)を取って基礎として、
3Rと4Rのどちらかで1着(25p)を獲得と踏むと、ミニマムなラインで3頭でおおよそ39ポイント。
ここまで積むと、1Rと2Rが5着6着あたりを固めさえすれば53pになり、S級1次予選通過ラインに乗ります。

この計算の前提は、やはり基礎票としての5Rの馬次第になります。
1着か爆着かのような“大砲”も重要ですが、大砲だけを揃えていてはチームパフォーマンスを高いレベルで安定させられません。
ましてや殿堂馬枚数インフレの今にあって、大砲の威力も薄れています。
冒頭で語ったサッカーの日本代表のように、限られた機会の中、個々のメンバーの個性を見極めた戦略的オーダーがチーム浮沈のカギを握ると言っても過言ではないと思います。

しかし、枚数以外の要素を重視した編成(いわゆる凸凹編成)は言うほど簡単ではありません。
9万枚の馬の所持者なら、できたら同じくらいの枚数の馬と一緒に出たいという気持ちは確実にあります。
その枚数の凸凹を9万枚所持者は寛容できるのか、
枚数以外が仮に無価値だとすれば、枚数の凸凹を埋める努力こそ編成者の義務ではないか、というチーム内の空気を編成者は納得させられるのか、
これらが相まって、結果が出なかったときの責任は枚数を揃えたときよりも熾烈になります。
プレミアに情熱を注いでいる強豪チームならなおさらです。


四皇の編成者および9.6万枚オーナーの勇気に拍手を送りたいですね。
決勝でも大注目です。