【BookReview】『鳥類学者だからって、鳥を好きだと思うなよ。』川上和人 | 共明塾 × キッズアース播磨町校

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1970年から兵庫県加古郡・加古川地域て信頼と実績を積み重ねてきた共明塾。
2007年からは東大卒講師を迎え、2017年からはキッズアースと提携し、小学生向けの科学実験教室を始めました。
共明塾はこれからも学ぶ楽しさを発信していきます。

NHKの子ども科学電話相談の鳥類担当、「どっもー♪ 川上です。」でもおなじみの川上和人先生。

この本は前から気になっていたのですが、今回文庫化されたということで、購入しました。

 

 

まぁ、題名からして面白い。

好きこそものの上手なれ」と言いますし、そもそも研究者という仕事自体、

好きを仕事に」している代表者的なイメージがあります。

 

にもかかわらず、この題名。

 

中身を読むと、この題名とは裏腹に、鳥への愛があふれてしかたがないことが伝わってきます。

そして、思いもよらない知的冒険の連続に、ハラハラドキドキさせられます。

 

鳥の研究のために、クライミングの練習とか、水泳の練習とか、

しかも、それが実際に役立つどころか、必須スキルになってるのがすごい(笑)

 

舞台となるのは、小笠原諸島にある、いまだ噴煙たなびく西之島。

聟島列島(むこじまれっとう)にある媒島(なこうどじま)。西島に東島。

硫黄島のさらに南に位置する絶海の孤島、南硫黄島。

ボルネオ島にアゾレス諸島。

 

軽妙な語り口で、話題は鳥類にとどまらず、生態系や外来生物、恐竜にまで及びます。

鳥類学者の「お仕事」を垣間見ることの出来る、知的エンターテインメントなエッセイです。

 


第一章で紹介され、終章、そして文庫追加分で言及され、劇的な幕切れ(?)を迎える

小笠原諸島の西之島については、2020.7/31付で下記の映像が上がっていました。

 

これでは、しばらく先生は西之島に行けそうもないですね。

 

別のニュースでは、中国地方などで見られる「霞(かすみ)」も、

1100㎞も離れているこの火山灰の影響ではないかと指摘されていました。

 

(地図はwikiより)

 


なお、キッズアースには、川上先生のこちらの本も置いてあります。

 

 

これも面白い本で、まさに「トリビア」と言うべき、様々な鳥に関する面白い知識が詰まっています。

鳥類学者の話なんかより、鳥のことを知りたい!という人には、こちらがおススメです(笑)

 


さて、キッズアースの実験教室では、教科書を読むだけでは得られない「何か」を感じてもらうことで、

生徒の皆さんの可能性を拡げたいと思っています。

 

鳥に関しては、スタンダードの授業で「手羽先の解剖」をやっています。

また、塾の駐車場に来訪するツバメの観察も忘れてはなりません。

 

経験・体験を通じて、未来の「科学者」の卵への一助となれることを願っています。