猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密

2020-02-08 22:50:59 | 日記
2019年のアメリカ映画「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」を観にいった。

世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の85歳の
誕生日パーティーがニューヨーク郊外の彼の豪邸で開かれた。その翌朝、ハーランが
遺体となって発見される。匿名の人物から依頼を受けた名探偵のブノワ・ブラン(ダ
ニエル・クレイグ)は、事件の調査を進めていく。莫大な遺産を抱えるハーランの子
供たちとその家族、家政婦、専属看護師と、屋敷にいた全員が事件の容疑者となった
ことから、裕福な家族の裏側に隠された様々な事情や人間関係があぶり出されていく。

探偵もののミステリー映画。大きなお屋敷、大金持ちの被害者、屋敷にいた人たち全
員が疑わしい、名探偵登場と言えばこれはもうアガサ・クリスティーの世界である。
舞台は現代のアメリカだが。実際監督のライアン・ジョンソンはクリスティーが大好
きだそうだ。富豪の作家が自らの誕生日パーティーの翌朝遺体で発見される。警察は
自殺だと判断するが、匿名の人物の依頼を受けてやってきた探偵のブノワは、自殺に
見せかけた他殺ではないかと推測する。警察とブノワは共同捜査を始めるが、死んだ
ハーランの遺産は莫大で、家族たちは遺産の行方を気にする。
誰もが怪しく見えて、犯人の想像がつかない。ハーランの健康状態に詳しい専属看護
師マルタ(アナ・デ・アルマス)はまだ若い女性だが、ハーランは彼女をとても信頼し
ており、友達だと言っていた。彼女は嘘をつくと吐いてしまう体質で、その言動にブ
ノワは興味を寄せていた。家族たちはハーランの死を悼みながらも最も関心があるの
は遺産の行方で、お互い疑心暗鬼になって口論になったりする。一見何不自由ない家
族だが、実は複雑な関係を抱えており、それが明るみになっていくと同時にブノワに
は事件の真相が少しずつ見えてくるのである。
ミステリーの王道でとてもおもしろかった。探偵のブノワも切れ者なのかへっぽこな
のかよくわからないところがユーモラスでいい。クリストファー・プラマーの存在感
はさすが。今90歳だそうだが、堂々とした風格で、物語の中心にどっしりと腰を据え
ている。ジェイミー・リー・カーティスとドン・ジョンソンが年を取っていてびっく
りした(特にジェイミー・リー・カーティス)。私はこの2人が結構好きなのだ。
キャストの演技は皆良くて、癖のある家族の面々をうまく演じている。マルタはエク
アドル移民だが、家族たちはハーランの友達だったマルタを家族同然に思っているよ
うなことを言っているが、実は見下しているのである。彼女がどこの出身かもはっき
り覚えていない。その点もこの物語の肝になっており、現代アメリカの実情も描かれ
ていて興味深い。ラストシーンも象徴的でとても良かった。




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