猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

セリ・ノワール

2018-08-14 21:38:22 | 日記
1979年のフランス映画「セリ・ノワール」。

パリ郊外で訪問販売員(押し売りに近い)をしているフランク(パトリック・ドヴェー
ル)。中年に差しかかり冴えない日々に飽き飽きしている。キッチンドランカーの妻
(ミリアム・ボワイエ)との仲は既に冷え切っている。ある日、訪問先の老婆が16歳
の姪モナ(マリー・トランティニャン)に体を売らせて商品を得ようとする。服を脱
ぎ始めたモナを優しく止めるフランク。モナはフランクに愛情を感じるようになる。
数日後、フランクはモナに叔母の金を奪って2人で逃げて欲しいと持ちかけられる。
モナを愛してしまったフランクは犯罪に手を染めていく。

暗いけどおもしろい映画だった。訪問販売員をしているフランクは、うだつのあが
らない毎日にうんざりしている。ある時訪れた家で、老婆が自分の姪をあてがう代
わりに商品をもらおうとして、フランクはびっくりする。その姪のモナはまだ16歳
だが、叔母に売春をさせられているのだった。フランクはさっさと服を脱ぎ始めた
モナを止め、服を着させてやる。そんなことをされたのは初めてだったモナは、フ
ランクに愛情を感じるようになる。
フランクもかなり変な男である。車を止めていきなりシャドーボクシングを始めた
り踊ったり。それでも少女を買おうとしないまともな面もある。大体あの叔母は年
はいくつなのだろう。16歳の子の叔母にしては年寄り過ぎると思った。祖母にしか
見えない。そして平気で未成年の姪に売春させるなんて、頭がいかれているのだろ
う。この変な叔母と姪に出会ったことで、同じく変なフランクの人生は変わってい
く。
フランクのモナに対する愛情はプラトニックなものに近い。かわいそうな環境から
助け出してやりたいという思いがあったからだろう。それでもモナを愛してしまっ
たフランクは犯罪を犯していく。その先には破滅しかないというのに。ラストシー
ンがいい。この後どうなるかがわかっているのに(少なくともフランクは)喜び合う
2人。退廃的で破滅的で、フランス映画らしい映画。



ねむねむノエル。









ベル「キリッ」





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