今回は、インレー・ブリッジのメリットとデメリットについて書きます。

歯を抜いた場合、歯を入れるには次の3通りの方法があります。
①入れ歯
②ブリッジ(両隣の歯を削って支えにし、固定式の被せ物をいれる)
③インプラント


抜いた歯の両隣の歯が、もし丈夫な歯であれば、ブリッジは優れた治療法です。

しかし、両隣の歯が、まだあまり治療をしていない歯や、全くの健康な歯の場合、ブリッジにして歯を削るには惜しい気がします。

そこで、歯科医師によっては、歯を削る量を少なくしようと、インレー(詰め物)の形のままでブリッジにすることがあります。


 
 


しかし、インレーの形をした(詰め物の形をした)ブリッジは、歯に対する維持力が足りず、顎の骨のたわみにより、脱落をしやすいといえます。

ブリッジの場合、歯の支えになっている場所が2か所以上あるので、どこか1か所が外れても(脱離しても)、ブリッジ全体は外れません。

したがって、ブリッジは外れかけたまま、気付かずに放置されることが比較的多くあります。

そして、歯がしみたり、咬むと痛む症状が出た時には、虫歯がかなり深くなっており、神経を取らなければならなくなってしまいます。


 
 
 


歯を削ることを最小限にしたいがために、あえてインレー形態(詰め物の形)で行ったブリッジの治療が、後には、歯の神経を取らなければならなくなり、余計に歯に負担をかけることになってしまうという、皮肉な結果になります。

したがって、ブリッジでの治療を行う場合には、多少歯を削る量が増えたとしても、初めからクラウン形態(被せる形)のブリッジにした方が、長期予後がよいのです。

クラウン形態のブリッジであれば、10年、20年機能しているブリッジは数多くあります。

しかし、インレー形態のブリッジは、短期間でやり替えが必要になると考えた方がよいでしょう。
 
治療の良否は、治療したばかりの時には分かりにくいものです。

長期的に問題を生じない治療、そのような治療が本当によい治療だと私は考えます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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