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今回は、前歯の正中（せいちゅう；真ん中）のずれと奥歯の前後のずれについて書きます。
前歯の正中（真ん中）が左右いずれかにずれている場合、奥歯も前後的にずれています。
つまり、前歯の正中を上下一致させるには、奥歯の前後的ずれを治さなければつじつまが合わないことになります。
歯列矯正は、これに時間と労力がかかります。
上下の正中（真ん中）のずれがある場合、奥歯の噛み合わせにも必ずずれがある
側方面観。上顎の歯列に対し、下顎の歯列が半歯分後方にある。上下の歯は、理想的には山と谷が噛み合うようになっている。このような場合、上顎を後方に下げるか、下顎を前方に出すか、その両方を行うことで、奥歯の前後的ずれを治していく。
マイクロインプラント（矢印）を固定源に、上顎の歯列を後方に引っ張っているところ。
上下に顎間エラスティック（ゴム）をかけ、上顎を後方に、下顎は前方に動かしているところ。
治療後。上下の奥歯が山と谷でしっかりと噛み合い、前後的なずれが治っている。このような処置を左右両側ともに行うことで、前歯の正中のずれが治り、顔の歪みも改善する。
上下の前歯の正中は、ぴったりと一致するのが理想です。
しかし、正中の多少のずれそのものは、それほど大きな問題とはなりません。
ケースによっては、下顎前歯を1本抜歯することもあり、このような場合には正中の一致は見られません。
それよりも、左右の犬歯（けんし；糸切り歯）の位置関係や、奥歯の噛み合わせのバランスのほうが、全体的にみるとより重要です。
左右いずれかの噛み合わせで、一方が明らかに噛みにくく感じる場合には、噛み合わせにずれが生じている可能性があります。
このような場合には、遠慮せずに担当の先生にご相談しましょう。
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