先日、患者さんと歯周病についてお話しました。

 

その中で、歯周病はどうすれば予防できるかを聞かれました。

 

歯周病を予防するには、2つの視点が必要となります。

 

一つはセルフケア、もう一つがプロフェッショナルケアです。

 

 

セルフケアの基本は、歯磨きやフロッシング(デンタルフロスの使用)の励行であることは言うまでもありません。

 

歯ブラシやフロスでの機械的清掃が、口腔内を清掃するうえで最も重要です。

 

含嗽剤(うがい薬)では、歯についた粘着性のプラーク・汚れを取り除くことは出来ませんし、ウォーターピックやジェットウォッシャーでも、歯に付着した粘着性の汚れは取り除けません。

 

これらで取り除けるのは、食べ物のカスにすぎません。セルフケアでは、あくまでもこすり洗いをすることが大事なのです。

 

 

しかし、セルフケアはこれだけに留まりません。

 

実は、歯磨きを一生懸命しても歯周病が進行してしまう人もいますし、歯磨きをあまりしなくても歯周病にならない人もいます。

 

これが何を示唆しているか?

 

体質?遺伝?歯茎が弱い?骨が弱い?・・・

 

すべて正解です。

 

でも、これだけではありません。

 

私たちの身体を育み、健やかに保っているものは、私たち自身の生活習慣(行い)であり、精神の持ち方(考え)であり、生き方そのものです。

 

 

食事の嗜好や睡眠時間、睡眠の質、休息の取り方、適度な運動習慣などは、私たちの全身の健康、免疫力、抵抗力に大きな影響を与えています。

 

そして、精神の持ち方、悩みや恐れ、不安、絶望など、ネガティブな感情やストレスは、自律神経のバランスを狂わせるだけでなく、心臓疾患、循環器疾患、消化器疾患、糖尿病、膠原病等の原因にもなっています。

 

一見、歯周病とは関係ないと思われるかもしれませんが、実はこのような心(精神)の問題と身体の問題は密接に関連しており、歯周病のなりやすさ、治りにくさとも関連があると考えられます。

 

もし、これらに無関心であるのなら、本態性の歯周病の予防や治療の効果は半減するでしょう。

 

 

一方で、プロフェッショナルケアも重要です。

 

歯磨きで取れないバイオフィルムや歯石などの汚れを取り除いたり、噛み合わせの調整、深くなった歯周ポケットの改善などは、患者さん自身ではできないので、プロフェッショナルケアが必要不可欠です。

 

 

このセルフケアとプロフェッショナルケアを同時に行っていくことで、歯周病を根本的に予防することができ、治療の効果を最大限に高めることができるでしょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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