宿題泡盛部 28蔵目:まるだい(今帰仁酒造)レポート
2020年 11月 11日
参加人数: 10名
瓶詰め日:2013年3月14日
今日のかりんとう:「七味とんがらし」
【TASTING DATA】
*水割り〜ロックは各呑み方を各自5段階評価で採点。その点数を集計したものです。
◎水割り(冷水割 alc.約12.5%に調整):40点 (ave.=4.0)
◎お湯割(各自で作成):35点
◎ストレート:36点
◎ロック:36点
*主宰・梅田のコメント*
問屋さんのデッドストックで、瓶熟七年古酒となってしまっていたラッキーな「まるだい」でテイスティング。
やわらかな酒質で親しみやすい印象がありますが、今回の「まるだい」はどんな感じでしょうか。
以下、梅田のテイスティングコメントです。
・水割り:甘い香り。お米の炊けた時の様な、または、とぎ汁の様な香り。味わいは素直に甘い感じで優しくてうまい。とても好み。
・お湯割:ほんのり香ばしい香り。刺激がなく、とにかく優しい。ほっとするおいしさで和食(おでんの様な温かなもの)に合いそう。
・ストレート:少し酸味を感じる香り、口当たりはやはりソフトで、軽い香ばしさもある。刺激がないので、ストレートでも心地よく行けてしまう。20度のタイプなら本当にすいすい飲めてしまいそう。
・ロック:水割り・お湯割の時に近い米っぽい香り。冷えた事でからか、香ばしさが少し焦げっぽい感じになり、やや苦みを感じる。口当たりはソフトではあるけれど、他に比べるとアフターのえぐみが気になる。
七味かりんとうとは、個人的には水割りとがベスト。
お醤油と唐辛子の風味を優しく包んでくれる。
他の飲み方とだと辛味が立ってしまった。
みなさんからのコメントは「辛い」というのはあるものの、
水割り・お湯割とが高評価。
「なぜかわからないがとてもマッチする」というコメントも。
【音楽】ご参加者の脳内に流れた曲
村上ゆき「積水ハウスの歌」、「ホテル・カリフォルニア」、Norah Jones「Don’t know why」、丸大ハンバーグの唄、The Police「Spirits in the material world」、丸大ハンバーグのCM曲、「あの素晴らしい愛をもう一度」、ケルティック・ウーマン「YOU RAISE ME UP」、GODIEGO「A GOOD DAY」、ジョー山中「人間の証明」
【料理・肴】ご参加者の願望
ふろふき大根、燻製チーズ・燻製ししゃも、マグロ刺し、セイイカの刺身を塩で、カツオのたたき、出し巻き卵、鶏のトマト煮、ラムネ、鮭の粕漬け焼き、あんかけ冬瓜、お好み焼き
【キャッチコピー】を考えよう
・「まるだいの半分はやさしさで出来ています」
・「俺の酒!」
・「のんびりゆったり、まるだいにハマって呑む!」
・「ハイデ・ハイデ・ハイデ・ハイデホ〜 ハイデ・ハイデ・ハイデホッホー 大きくなれよ〜」
・「今帰仁の勇”まるだい”」
・「ラベルの首里城に思いを馳せながら」
・「素朴な味」
・「炊きたてごはんのかほり」
・「ゆらぎに涙する夜」
・「青春の忘れ物」
【オリジナル割】何かで割ってみよう *任意
・ハイボール 5:5でガツンと呑める旨味があるね
・つぶらなカボス
・UCC PETコーヒー「こだわりブラック」無糖:どちらの特徴も消さず良し
・午後の紅茶おいしい無糖割:無糖なのに甘みが多く感じられます。紅茶の風味を残しつつ。おいしいです。(一番おいしかった)
・牛乳割り:もともとくささのない泡盛なので、甘さが↑。ついつい飲んでしまいやばいかも。おいしいよ。
・伊藤園 生オレンジティー割:オレンジピールが目立ってカクテル風
・ソーダ割り:少し濃いめじゃないとダメ。ラムネっぽい。
*****
【再録 第六期:まるだい(今帰仁酒造)レポート】
「春の泡盛」
泡盛を四季で分けるとすれば、「まるだい」は春だ。
「まるだい」を呑むと、春の陽だまりや新緑の木漏れ日が思い浮かぶ。
甘くやさしい香りは、お砂糖の入った紅茶のよう。
そして、口に含むと、まずは甘さが広がり、その後に少しだけホロ苦味がある。
水馴染みが良くて、水割りでは特に味の構成が良く分かる。
ぽかぽかした温もりが口の中から体内に染み込んでいくような印象だ。
お湯割やストレートでは、甘さの後の辛さが少し主張を強め、
そして、ロックでは甘さが潜んでビターな表情に変化する。
それはまるで春の天気のように。
「品良く、緩やかに」
今回は水割りの評価が高かったが、過去のデータを見ても呑み方による表情の変化はいつも感じられる。
その変化をも含む、「まるだい」の魅力は、
好かれる要素を主張するのではなく、嫌われる要素を削っていったような味わい
なのではないだろうか。
こういう味は長く呑み続けるのに最適だ。
品の良い小料理屋で、丁寧に作られるだし巻き卵や煮魚、鱧の梅肉和えなんかをちょいちょいと口に運びながら、やわらかな味わいの水割りをゆっくりと呑む。
少しお腹が落ち着いたら、ロックで引き締める。
まな板に包丁が当たる音、蛇口から流れる水の音、コトコトと煮物が煮える鍋の音などを聞きながら。
「鮮やかなラベルの主張」
ヴィヴィッドで、大胆なモチーフ、ある意味インパクトの強いラベルデザインは、正直、味のイメージにそぐわない。
しかし、そこにはそれを凌駕する、今帰仁の酒としての自負のような説得力を感じる。
ラベルにある城は、今帰仁城ではないと言われているが、今帰仁にとって城の存在は不可欠であり、その誇りを示すかのような赤。
群青の背景は、沖縄の空の光量の強さを表現しているかのようにも感じられる。
ラベルを囲む枠や細かな文字に使われている金は栄華の表現であり、拡張の高さを伝えるかのよう。
金を黄と捉えると、泡盛三原色(赤・青・黄)を鮮明に磨き上げたような配色だ。
先述の小料理屋にあるような白木のカウンターでは品良く映え、冴える色合いかもしれない。
「空気をたゆたう旋律」
はじめに書いたように、「まるだい」は春を感じさせる。
「まるだい」が生み出す酔いごこちは、春の空気を感じさせる。
まるくてやわらかな空気の中をたゆたうような旋律。
岩井俊二監督の映画『花とアリス』より
「花の季節」
https://www.youtube.com/watch?v=SBg-FeMUgpI&list=PLjJZVeY4I-MqO2Ow9aCX39NJDPCJFEE_r
***おまけ画像***
美しい!!