足るを知る、足らないを知る

夏は夜、月の頃は更なり

清少納言の「枕草子」の一節。

僕は今、常夏の国で暮らしています。

恋しくなるのは季節感覚。

秋と冬が好きなのだが、春も夏も日本で過ごしたいなと思う今日この頃。

当たり前のものがふとなくなって、

困ることが当然のようにあれば、

意外となくても事足りること、

あると毎日が少し豊かになるものが、

ふわりふわりと浮き上がってくる。

僕は今、非常に田舎な地で暮らしています。

困るのはインフラ。

綺麗な水が出ること、お湯が出ること、冷暖房があること、電気が通っていること。何一つ、当たり前なものはないはずなのに、当たり前のように整っている日本の環境は本当に素敵です。

意外となくても事足りるのは、インターネットとアマゾン。ライブドアニュースで時事ネタを追っかけることもなくなり、アマゾンの音楽や映画がなくてもさほど困らない。

あると毎日が豊かになるもの。それは、お気に入りのボディソープとシャンプー。

最初は仕方なく、地元の安い石鹸で体も髪も洗っていました。毎日をすり減らしているようであり、これではまずいと、日本から天然由来のボディソープとシャンプーを持参。

ちょっとだけ、こだわったものを使う。

埃や疲れを洗い流す、一日の締めくくりがまったく違ったものに。

決まった服を着て、決まったものを身に付ける。

靴も腕時計も鞄もマグカップも、お気に入りをひとつだけ。コンビニで買い物をすることもない。

足るを知る生活。

それでも、やはり、「秋は夕暮れ」な時期に日本に

戻りたいという、足らないを知る。