庚子の年である令和2年をまもなく迎えます。(公開は0時なので、迎えました。)

庚子の年は、庚は更を意味する言葉ですから、今までの時代から新たな時代に移り変わる時代を意味します。子は増えるとの意味であるから、新たな時代に移り、山積する問題の解決の年とするには最適な年といえます。

個人的な話で恐縮ですが、10年前の「庚」である庚寅の年に長女が生まれ、12年前の子である「戊子」の年に結婚をしており、それぞれの年に生活が大きく変化いたしましたから、私の人生の転機となる年が庚子であろうと考えております。(さらにその10年前の20年前の庚辰では、小渕恵三首相が亡くなっておりますし、24年前の丙子の年に進学関係で大きな動きのあった年でした。)

おそらく安倍総理は、東京五輪の成功を求心力として解散総選挙を9月から10月頃に行うだろうと思います。この際に、野党勢力がどう対抗するかというところが気になるところですが、仮に枝野氏を中心とした野党勢力となった場合は到底太刀打ちできないでしょう。現在の野党の支持母体から枝野氏の評判は悪くないでしょうが、国民から見たなら民主党そのものであり、何ら反省する姿勢もないままに枝野氏を中心とした野党勢力が選挙戦で自民党の腐敗を追及したところで、多くの国民の心を掴むことはできません。

山本氏の令和新撰組は、消費税減税を掲げており、勢いもある程度あるように見えますが、如何せん実績がないためにメインストリームたり得ないところがあります。元芸能人は知名度としては高くなりますが、政治を任せるには不安を感じる人も多いのでしょう。現在は、山本氏と連携して消費税減税研究会を開催している勢力があり、この勢力には馬淵澄夫議員などを中心に実績もある方がいますから、この方々との連携が進み、野党勢力を結集する核となるなら、政治を任せる不安は和らぎある程度良い勝負ができるかもしれませんが、国民の過半である保守系の考え方を持つ人へのアピールとしてはあまりに不十分でしょう。

例えば、河村たかし氏などが音頭をとるなら、民主党の印象が薄れ、保守系の支持層を多少なりとも巻き込んだ野党勢力として今の安倍自民党に対抗できるかもしれませんが、圧倒するには力不足で、やはり、新たな中心人物を迎えないと野党が圧倒するのは難しいと言わざるを得ません。これは、安倍政権が、選挙戦が苦しくなれば現職という立場を利用して北朝鮮に乗り込んで成果を上げる、韓国に対してより強力な姿勢を示したり、憲法改正の発議を行うことで、保守系の支持離れを防ぐなどの手法がいくらでもとれる以上、当然に圧倒できるシナリオを準備しなければならないのです。

圧倒できるシナリオを考えるために、国民が関心を持つ新たな中心人物を迎えて、野党勢力を結集するとした場合に、それは希望の党と同じ捉え方をされたなら、国民の支持は得られません。希望の党との違いを打ち出すのは政策によるもの以外にはあり得ません。希望の党には政策として、原発ゼロとかベーシックインカムの導入といったものがありましたが、ほぼ政策としては浸透していませんでした。希望の党に所属した経験のある現職国会議員に、今、上記のアンケートをとったとしたなら賛否が半々に分かれかねないでしょう。

希望の党に入党する際の条件であった筈ですが、解党されてしまえば知らないというような政策への認識では、有権者に、その政策への本気度が見透かされいたでしょうし、前回の衆院選の選挙戦を通じて、こうした政策を訴えていた議員が少数派だったことを踏まえても、議員も国民も希望の党を単なる受け皿政党以上の評価をしなかった原因でもあるでしょう。

庚子の年の野党勢力の結集は、政策によってなすべきであり、それ以外に安倍総理に対抗するすべもないことは疑う余地のないことですが、問題となるのはこの政策の中身です。

この政策は、単に消費税を減税するとかいったレベルのものであってはなりません。この政策は、これまで他の議員が述べてきたものとは一線を画す異次元のものである必要があるでしょう。これは、国民の多くの支持を得るためのものでもありますが、同時に巻き込んでいくべき議員に現時点で賛否が存在しない領域のものであれば、動きやすいというメリットもあるためです。

例えば消費税に対して賛成反対となると、議員は今までの説明との整合性を整えなければなりません。過去に反対していたなら良いでしょうが、消費税増税は必要だと述べてきた民主党の出身議員は、簡単に消費税の廃止など口にはできません。議員は自由なようでありながら、支持勢力がどういう意向かを考えなければ行動のできない存在でもあるため、簡単に宗旨替えできないのです。

しかし、これが所得税、法人税の抜本的な仕組みの見直しを含めた税制改正、特にこれまでに議論されてきたものではないものとなれば、その賛否は支持勢力も持ちませんから、議員は比較的自由に賛否を考えることができます。

こういう異次元の政策を3つのマスト(帆柱・フォアマスト、メインマスト、ミズンマスト)としてまとめ、それに20枚の帆となる政策を張る。国民の風向きを見誤らなければ、この野党勢力を結集する船は、国民の世論の後押しという追い風を孕んで全速力で進むでしょう。これができるなら、安倍自民党を圧倒することも十分に可能となるでしょう。

この状況を作るのが令和2年における私の役割であると自任していることを、この年初の挨拶として皆様にお伝えしたく存じます。