受け付けない人を見たとき... | 私のイタリア時間

私のイタリア時間

イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。



いつものように

海に向かって行く電車は、

ピサを経由するせいか

多くの外国人でいっぱいになります。


人がいなければ、

4人掛けのところに

ゆったりとする私たちですが、

その日もやっぱりいっぱいで、

そんな時は、

おとなしく荷物をどけて、

いつでも誰かが座れるように

スタンバイしておくのです。


その日は、

ある中年夫婦がやってきました。

多分...

英語圏の方。


旦那さんが一言、

空いた席を指差しながら、

「オッケー???」

と聞くので、

「プレーゴ!」

と言って、

私たちは、

にこやかに席を譲った...つもりです。


何も言わずに、

どかっと座ったご婦人は、

なんだかムスッとしています。


いえ、

ムスッとしているように見えたのは、

気のせいなのかもしれません。


あえて、

「ぶぉん じょるの〜〜」

と言ってみました。


メルカートで鍛えられたせいか、

面白くない顔をしている人を見ると

にこやかに挨拶したくなっちゃう

変なクセが

私にはあります。


おばちゃんは、

私たちの方を

見向きもしません。


時々、

こういう人がいます。

多分、

アジア系がダメなのかもしれない...

単純に

最初はそう、考えます。


お店で働いてる時もそうでした。


それまでニコニコしていたのが、

私という人間を見たときに、

なんだかスッと笑顔を消して、

そこには緊張感さえ感じられるような

そんな態度をする方たちが

時々いるのです。


私から見ると、

志村けんが演じるバカ殿が

逆鱗に触れた時のような、

あんな感じです。


最初はそれでも、

頑張って対応しようとしましたが、

いつからか、

頑張る事をやめました。


人にはいろいろあって、

多分、

「他人」というのを

受け付けない人 もいるのです。


それを

ムリクリ

自分の価値観に当てはめようとて、

相手も同じことだろうかと思うと、

そんなおばちゃんでも、

今、目の前に座ってるおっちゃんに恋をして

一緒になって、

こうして旅を続けている...と思うだけで、

こんなに頑なに

私たちを眼前から拒否しようとしている

堅物だって、

晴れたり惚れたりするのだな...と

どこか安心めいたりもするのです。



{5ED35996-0A6C-42D4-974A-8096BC48B449}



イタリアに長く住んでいると

いろんな人を見かけますが、

スーパーのレジなんかで

怒ったようにお釣りを投げる、おばちゃんとて、

その左薬指にガッチリはまった指輪を見ると、

こんなに感じのわりぃおばちゃんに

恋したオトコもいるのだね!と

なんだか元気になってきてしまうのです。


いつからか、

そんなふうに人を見るようになった

今の私です。




⬇︎今日もありがとう!


最後までお付き合い、どうもありがとうございます。