地方出身の私は、
古くからの友人に会うと、
「イタリアなんかの遠いところで何年も居るって、凄いね〜」
なんて感心されます。
海外に出る事が
そう珍しくない今ですら、
「言葉」の問題は大きいのかもしれません。
それで、二言目には、
「もう、ペラペラなんでしょう?」
なんて言われたりしますが、
イタリア語が
喋れる... というよりは、
慣れた...の方が
感覚的に近いものがあります。
なんだかんだで、
18年近くなるのですから、
だいぶ慣れた...感は、
満載です。
まともに勉強をしてこなかった私ですら、
日常のコミュニケーションは
何とかなる...程度に
なんとかなっています。
イタリア人と話す時、
どちらかというと
教科書通りに丁寧に話すよりか、
言いたい事を端的に伝える方が
相手に伝わりやすい感じがします。
道に迷った時、
「あのぅ、すみません。お聞きしたい事があるのですが...」
なんて、
丁寧に伝えようとすると
全く伝わらず、
行きたい場所を単語でひとこと、
例えば、
「ドゥオーモ!」とか
少々強めの口調で言うだけで、
「あ、あっち!」と
条件反射のように
教えてくれるわけです。
まだ、
私がこちらに来たばかりの、
それでも少しは
「勉強しよう!」と思ってた時には、
伝えたい事が全くと言っていいほど伝わらず、
正面から
「あんたの言ってる事、わかんない!」
と言われた瞬間からくじけ、
「チックショウ...今度会った時には、こう言ってやる‼︎」
と、
言い返しの言葉を辞書で調べ、
何回も反芻し、
「ようしっ!」なんて
勢いよく家を飛び出し、
だがしかし、
全く違う切り口でノックアウトされ、
そんなのの繰り返しで
今に至ったりするわけですが、
「コノヤロウ!」と思った時のパワーって
凄いものがあるなぁと思ったりします。
いつからかは、
全く記憶にないですが、
いつしか会話ができるようにはなった自分が
「イタリア語が喋れて凄いね〜」
なんて言われたりすると、
果たして自分は
何をどうしたんだろうと
そんな頃の事を懐かしく思うと同時に、
「習うより慣れろだよ...」と言いつつも、
18年ほどイタリアで生きてる割には、
18歳の子のようには流暢でないなぁと
しみじみと思ったりするわけです。