そうして、裁判所にやってきた | 私のイタリア時間

私のイタリア時間

イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。





真っ赤な空。


日が暮れると
染まる赤もいろいろで、
この日は特に赤みが凄い。



あぁ、ヤダな…と思いつつ、

行かない訳にもいかず、

渋々、辿り着いた裁判所で、

「地上階」と記された以外は

詳細が何も書かれていない紙を手にして、

どこに向かって良いかも分からず、

その地上階をぐるぐるしていた。


徴収時間の10分前に着いたのに、

これでは、約束の時間に間に合いそうもない。


目の前に警察官がいたので、

恥をしのんで聞いてみる。


分からない時は、

考えるより、聞くに限るのがイタリアだ。


「すみません。ちょっとお聞きしたいのですが…」

顔を上げると、

知っている警察官だった。


こんなことって、あるの???


そんなふうに思うことが

イタリアに来てから多いのだけど、

今回もまた、それだ。


「あれ?知ってるよね、うちら…」


どちらともなく、そう言った。


遠い遠い昔、

知り合ったイタリア人の女の子の

今となっては、ダンナである警察官に

懐かしい思いを抱きつつ、

でも完全に遅刻になりそうで、

そうしたら、

51〜516ユーロの罰金が待っている事を恐れた

余裕のない私は、

だがしかし、

懐かしい思い出話に浸れず、

どこに行けば良いのか、調べてもらったのもかかわらず、

「ありがとう」とだけ言い残し、

慌てて、言われた部屋に向かってみる。


二十数戸もある部屋の

どの扉も閉まっていて、

果たして、

言われた部屋の前に立っているものの

開けて良いのか、どうなのか。


そぉっと開けて覗いてみると、

部屋は真っ暗で、

奥に一人だけ女性がいる。


そぉっと閉めて、考える。


周りに知った人間も居ず、

誰に聞いて良いかも知らない。


よしッ


再び、ドアを開け、聞いてみた。


「あの、今日、証人喚問で出頭したのですが…」

「今日ここではヤらないわ。24の部屋に行ってみて。」


「24の部屋…」


言われてた部屋は、26だから

二つ隣の部屋である。


24の部屋に辿り着くと、

自分と関わりありそうな案件の紙が貼ってある。

だがしかし、

どうしていれば良いのだろう。


全く勝手がわからず、

部屋に入ったものの、

皆それぞれ、別の案件の人っぽい。


始まるんだか、

始まらないんだか。


予定より、

とっくに1時間という時間が経過しているが

なんの御触れもなく、

トイレに行きたくなった私だった。








⬇︎今日もありがとう!






最後までお付き合い、どうもありがとうございます。