物事の意味 | 私のイタリア時間

私のイタリア時間

イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。





魚介のフリット。


イタリアの金曜日は
「魚介」の日で、
新鮮な魚介が楽しめるから、
魚介のフリットを楽しむ。



あれだけドキドキした裁判所行きは

あっけなく、

「延期」というオチで終わったのだけど、

その帰りに

元同僚と再会した。


メルカートの仕事を辞めてから、

会う同僚は限られていて、

だから、その同僚と会うのは

実に4年ぶりの事である。


私から見るおやびんは、不思議な性格をしていて、

よく、

根も葉もない事で怒られたり、

同僚と言い争うことになったり、

後で考えてみたら、

あれは、なんだったんだろう…なんて思わされることばかりで、

お互いの間に、

誤解が生じる事が多々あった。


「アイツには気を付けろ!」


耳元でささやく、

そんな言葉を信じてはいけない!

強くそう思ったものだけど、

多くの人が働くお店では、

そう思う人ばかりでもなく、

同僚同士でケンカなんて事も

なくは無かったし、

言われなくてもいいような事を

思われたりもした。


ゆえに、

おやびんとの裁判沙汰になっている同僚たちとは、

極力、

面倒になることを避けたかった。


関わったら最後、

火の粉がどう飛んでくるか、わかりゃしない。


現にこうして、

私とは関係のないところの火の粉を

ほんの少し、

浴びていたりする。


「久しぶりだね〜」


元同僚は、至って普通であった。


「あのさ、私、あなたの件で『証人』にされてるんで、さっき裁判所に行ったのだけど、なんなの?」


事の真相は、

本人から聞いた方が早い。


「あのさ、俺がどうやら、おやびんを脅して刺したらしい...」

「え!?」


元同僚が辞めた時、

ちょっとした警察沙汰になった。

と言っても、

言い争いに終着が見えなかったどちらもが

警察を呼び、

だから警察は二人来たのだけど、

結局、その警察官に説得され、

その日、同僚が去っていった…というのが、

私が見た光景であった。


「刺したの???」


アホな事を、私は聞いた。


「刺すわけないだろ。警察官も居たんだし。」


確かに。

私も居たわ。

それに、

元同僚も、そこまで馬鹿ではない。


「でも、今回の訴訟では、そんなニュアンスあるんだよ。」


火のないところに煙は立たない


世の中、

それが「普通」なのだけど、

おやびんの周りには、

火のないところに、いっぱい煙が立っていた。


第三者から見たら、アホらしいことでも、

そういう現実もあったりして

気がつけば、

私たちは、その「煙の中」ってワケである。


「ねぇ、取り止める…って出来ないの?」


私は、私のために聞いてみた。


元同僚は、それについては返事をしなかった。


「それよりさ、またみんなでご飯でも食べに行こうよ。懐かしいよね、ほら、あの時、みんなで魚介食べにいったよね...」


そうだった。

おやびん夫妻をのぞいては、

私たちメルカートの同僚は

みんな仲が良かった。


よく、同僚たちで

示し合わせて、お茶したり、

ランチしたもんだ。


折しも、

日本に永久帰国した元同僚も

今、イタリアに来ている。


「じゃあ、折角だから、みんなでタイ料理を食べに行こう!」


タイ料理をやってるのも、

同じ仲間である。


こうして、

久方ぶりに会うだろう同僚たちとの再会を

果たすことに決まった。


物事には意味があるという。


もしかしたら、

裁判所に呼ばれたのは、

辞めて久しく会っていない

この同僚たちと会うことなのかもしれない…


そんな事を

ふと思ったのであった。



⬇︎今日もありがとう!






最後までお付き合い、どうもありがとうございます。