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絹紅梅 他店で行ったしみ抜き しみ抜き・色掛け 絹・綿素材

2020年03月25日 | 着物(色掛け・色修正・染色補正・染直し)

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!

リサイクル店が他店に出したしみ抜きがこれ以上直せないと

言われた綿紅梅の着物のしみ抜き直しの依頼でした。

絹紅梅

絹紅梅とは夏着尺の一種です。

絹糸を用いた紅梅織(太さの違う糸を経緯に配して、

表面に畝を浮き立たせる織り方)のことです。

一般には細い絹糸の間に経緯とも一定間隔で太い綿糸を織り込み、

格子状の畝を表した生地のことです。主に高級浴衣に用いられます。

絹紅梅袖袂 他店でのしみ抜き後

他店にしみ抜きを依頼した所これ以上直らないと言われてお困りになり

当店にこれ以上直らないか、再しみ抜きのご依頼です。

絹紅梅袖袂 他店でのしみ抜き後

よく見ると黄変しみが残っている事、黄色い部分と黒い部分が脱色しています。

白っぽく見えるのは、胡粉という白い顔料を塗っている為です。

黒い部分に白い顔料を塗っても直る事より余計に見苦しくなってしまいました。

絹紅梅袖袂 他店でのしみ抜き後

まずは胡粉を剥がしてみました。黄変しみが残っていますし黄色い部分と

黒い部分共に白く脱色しています。黄変抜きの薬剤の選択を誤り抜染剤を

使用したと思います。

絹紅梅袖袂 他店でのしみ抜き後

二番目に筆先の部分の黄変しみと他の部分の黄変しみをしみ抜きを行いました。

絹紅梅袖袂 他店でのしみ抜き後             ↑ 

黄変しみ抜きをしてみて、とても驚きました。

なぜなら地色が脱色しませんでした、また↑の部分に赤っぽい色素が付いています。

絹紅梅袖袂 他店でのしみ抜き後

赤っぽい色素も色素を取り除く薬剤で簡単に落ちました。

織り込んでいる黒い糸が脱色しています。

こんなに関係ない部分を脱色させる意味が分かりませんし、

織り込んである糸に色掛けすると横糸のグレーの糸が潰れてしまします。

絹紅梅袖袂 他店でのしみ抜き後

まずは脱色している黒い縦糸に色掛けを行いました。

絹紅梅袖袂 しみ抜き・色掛け後

まずは脱色している黒い縦糸に色掛けを行いました。

次に脱色しているグレーの部分に色掛けをして最後に黄色い部分に色掛けをしました。

色掛け後の復元がいま一つですが、お客様はとても喜んで下さいましたが

私としては、とても悔しい気持ちで一杯です。

 

着物と洋服のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

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