理系か文系か | フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

パリ在住19年のTomomiが、フランス本場アロマテラピーや自然療法のお話、日常生活をお届けします

こんにちは。アロマトローグのTomomiです。

 
前のお家では、本を物置にしまっていたのですが、閉架図書から開架図書となったおかげで
読書熱がすごいです。
昔の本から最近買った本まで、読み漁ってます。
 
その中で、今回は最近買った本をご紹介。
「癒しの心得」という本で
翻訳家の上野圭一さん、医師の山本竜隆さん、
心理カウンセラーのおのころ心平さんの
座談会の本です。
今年2月に、IPAP 協会で行なったリトリートの舞台、富士山静養園をやってらっしゃるのが
山本先生。
そこで購入した本です。(サインも頂きました💕)
 
この3人をつなげるのが、アンドルーワイル医師。
アメリカの医師で統合医療の第一人者です。
山本先生は彼の元で学んでおり
上野圭一さんは、彼の著書を翻訳しているのです。
 
実は、私もアンドルーワイルの本は、結構読んでいます。
実践的で、難しくなく、彼の治療に関する考え方は共感できるので、愛読書のひとつです。
 
おのころ心平さんも、心理カウンセラーとして
病気にどう向かい合うべきかを説いていて
昔から興味がありました。
 
で、こちらの3名による本。
ここかしこで、共感の嵐が吹き荒れ
半日で読み終わりました。
スッキリ爽快な気分!
 
医療、とくに西洋医学と自然療法(伝統医学)って、二項対立の図式で語られることが多い。
西洋医学を否定して自然療法を支持するとか
自然療法をエセ科学と一蹴する医学界とか
日常茶飯事です。
 
山本先生は医師であり、自然療法士としての肩書きもあり、アメリカでの統合医療の現場を見ておられますし、
上野圭一さんも、海外での統合医療の事情に詳しい。
 
この本では、この二項対立が顕著なのは日本だそうです。
フランスも、もちろん対立はありますが
日本ほどではないかな、という感じが。
 
本の中でも触れられていますが
日本では、医学を志望できるのはのは理系選択者のみ。
文系とは、別世界です。
でも、他の国では、もうすこしオープンなのです。
というか、日本のような文系、理系の区別があまりないとか。
 
フランスでも、高校卒業のための国家試験がありますが、理系も文系も全員必須なのが哲学。
高校卒業で、哲学の論述試験があるのです。
通りで、彼らの論理的思考やディスカッション能力が高い訳です。
自分で考えることを本気で教育に取り入れているわけです。
で、日本は?
 
日本の素晴らしいところは、正確な知識を頭にしっかり収納している点。
医師を目指すのであれば、必須ですよね。
でも、医師や医学界に哲学的思考が欠けているのが問題だと、この本では指摘しています。
病原をやっつけてゼロにするための、決まった方法は完璧ですが
病人の物語、時代背景、社会的問題には無頓着で、想像力に欠けると言うのです。
 
病気にも色々な種類があって
ウィルスが侵入した、骨が折れた
といった場合は、理系頭が大いに役立つのですが
原因不明の病気はたくさんあり
病原が分からなければマニュアルどおりにできない
つまり治療方針が決まらないこともよくあるのです。
ここで想像力。
理系だけ、科学的知識を超えて
心理学、歴史、哲学、民俗学、社会学などからのアプローチも必要になってくるわけです。
 
私は治療家ではありませんが
理系じゃないから治療ができないとは思っていません。
文系の色々な学問に興味があり、勉強してきたので、私ならではの考え方で症状にアプローチすることができるなーとも思ってきました。
 
この本を読んで、なんでも対立して一方を排除するのではなしに
それぞれの長所を協力し合っていけばいいのだよなーと再確認。
 
最後には、賢い患者になるには?と言うことも書かれてて、病気をしない人はいないし
患者にならない人生はあり得ないので
どんな人にも考えて欲しいことがたくさんありました。
 
自分の人生は自分で決めるのであれば、医者にお任せする治療はあり得ません。
医者に言われた通りではなく、自分で医者のアドバイスを「選択」していかなければ!
自分で考えるのは、医師だけでなく、患者にこそ必要なことですね。
「健康」であるということを超えて、どんな生き方をすればいいのか。
 
座談会という形式でスラスラ読めるけれど、
沢山の示唆に富んだ、面白い一冊でした。
ご興味があれば是非!
 
 
 
 ホリスティックってこういうことだなーとしみじみ🍵