伝言ゲームに気をつけて! | フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

パリ在住19年のTomomiが、フランス本場アロマテラピーや自然療法のお話、日常生活をお届けします

こんにちは。アロマトローグのTomomiです。

 

2月の日本セミナー・レッスンの一般ご予約承り中!

【⑴ セミナー 『ラベンダー徹底解剖!-ハーブ・精油・香料-』】
東京会場 : 2月9日(日)10時30分〜12時00分
大阪会場 : 2月14日(金)10時30分〜12時00分
 

【⑵ レッスン 『古今東西 癒しのメソッド-呪術と薬、自然療法-』】
東京会場 : 2月9日(日)13時00分〜16時10分(3時間)
大阪会場 : 2月14日(金)13時00分〜16時10分(3時間)
 

【⑶セミナー 『質問セミナー❶❷』】
❶東京会場 : 2月11日(日)14時00分〜15時30分
❷大阪会場 : 2月15日(金)10時30分〜12時00分
 

詳細はこちらから→

全てのご予約フォームはこちらから→

++++++++++++++++++++

 

2月9日午後に行う『古今東西 癒しのメソッド』の準備

まだまだやっております。終わりが見えない。。。

 

さくさくっと業務的に作れば早いんでしょうけど

何回もまとめをしています。

膨大な資料なので、それを簡潔にまとめる。

その作業中に「これはどういうこと?」とまた調べて資料が増える。

それからまたまとめる。

というループを繰り返していますねー。

 

でも、こういう作業しながら、どんどん頭に入っていくんです。

文字を文字として丸暗記じゃ、記憶に残りませんが

文字を理解して、自分のことばで置き換えて

理解できなければまた調べて、とやるうちに、自然と覚えるのです。

当日は面白おかしくお話しするのが目標なので、もうちょっと粘ります!

 

突然ですが「伝言ゲーム」をフランス語でなんというか知っていますか?

téléphone arabe「アラブの電話」と言います。

アラブの人たちは、口で伝えるのが一般的だから、というのが語源だそうですよ。

 

で、また唐突ですが、ディオスコリデスの『薬物誌』もしくは『マテリア・メディカ』をご存知ですか?

きっとアロマの歴史の授業で暗記してねと言われたと思います。

この本、1600年くらいの間、医療に関わる人たちの教科書となったすごい本です。

1600年間もベストセラー。すごすぎて、言葉が出ません。

 

でも。この1600年間、読者が同じものを読めていたかというと、違うんです。

当時は印刷術がありませんでしたから、手書きで写したり、それこそ口伝えもあったでしょう。

写しとる人は、いくら集中してやっていたとしても誤字脱字があったり

「これってどうなのー?」とディオスコリデスさん(すでに故人)に直接聞くことはできないので

「きっとこういうことだよね💙」と想像で書いた部分もありました。

そもそも原本が見つからなかったり、一部が焼けてしまったとか、破れているとか

字が汚くて読めないとか(ってあるのかなー?)いろいろありますし

絵をつけてみたり、わかりやすく平易な文章に直したり、としていくうちに

どんどんどんどん、最初のものとは違うものになっていったのは想像にかたくありません。

 

これぞ、伝言ゲーム。

歴史家という職業の人たちは、伝言ゲームでつくられた、世界中に散らばる『薬物誌』を集めて

共通点と相違点を探し、ディオスコリデスが生きた時代の文化と照らし合わせて

原本がどういうものだったのか、研究しています。

もちろん、伝言ゲームで作られたものも、とても価値の高いものですから

それぞれ発見された土地とか所有者の名前なんかをつけて、ひとつの史料として大切に保管されています。

 

私が、自分のセミナーでなるべく「参考文献を書く」のは

もちろん「あなたの意見をお借りしています」という敬意と感謝を示す他に意味があります。

例えば、いちごとチョコのお菓子『アポロ(商品名)』のかたちを人に伝える時に

私は真上からみて「丸かった」というかもしれません。

でも別の人は「三角です」というかもしれません。

だから、「オリジナルは『アポロ』というもので、それは丸いんですよ」と私の意見を述べたとしても

参考文献を当たれば「え、違うじゃん、三角じゃん」とか「あ、円錐のことですね」とかわかるんですね。

 

もし1000年たって、『アポロ』の原型が失われても

私が「丸かった」と言った資料や、他の人の「三角です」「ピンクです」「茶色です」

「いちご味です」「チョコレートです」「お菓子です」

「美味しいです」「まずいです」という断片を集めて総合したときに

『アポロ』ってこういうものだったんだーと浮かび上がるんですよね。

 

実際にディオスコリデスの『薬物誌』のオリジナルは残っていないんですね。

それぞれの時代、地域で使われている言語に翻訳され

ギリシャ・ローマ以外の風土では、該当する植物が見つからないから

「これじゃなーい?」と似た植物で置き換えられて治療して、とんでもない目にあったことも。

写す人の立場によって、すっごいオカルトチックになってしまったこともあるそうです。

 

その、いろいろバージョンを見るのは楽しいことです。

源氏物語のマンガ版とか、現代語訳版とか、子供向け版とかそれぞれ違った楽しみがありますよね。

でも、本当の姿を知りたかったら、もっともオリジナルに近いものに触れるべき。

なので、私は「***の名言」みたいなものもオリジナルの該当箇所を探します。

例えばプルーストの「紅茶に浸したマドレーヌ」の逸話も、オリジナルを読んで自分で納得しました。

 

伝言ゲームでデフォルメされたものを「本物」と思い込むのではなく

オリジナルがあるのであれば、1度はちゃんと「本物」に触れて納得してほしいと思います。

偽造エルメスのバーキンもいいですが、やっぱり本物に触れたくないですか?

 

と、こんな風にディオスコリデスの項目を読みながら、脱線。。。(笑)

でも、こうやって記憶しながら、やっています。

こんな感じのお話しばかりですので、ご興味ある方は是非!→



ディオスコリデスさんはこんな人ー🌿