ミュゼに行ったよ♪ | フランスの自然療法で美しいからだとこころを手に入れる Île des fleurs Paris イル・デ・フルール・パリ

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パリ在住19年のTomomiが、フランス本場アロマテラピーや自然療法のお話、日常生活をお届けします

こんにちは。アロマトローグのTomomiです。

 

前回のブログでミュゼに行きたい!

ミュゼで何を得たいのか、などくどくどと書いたのですが

実は、ミュゼに行きました♪

 

娘が学校から許可が下りて、休校以来の初登校をした日。

友人を「ミュゼに行こう」と誘っていたので

では、とにかく今空いているミュゼを探そう!ということになったのです。

パリでは小規模なミュゼが、条件付きでオープンしていました。

基本的にはオンラインで時間指定をされた入場券を購入した人のみ。

ちょっと急だったので、いろいろ調べると

その日空いていないミュゼも多かったので

行けるところに行きました。

 

ボンマルシェのそばのマイヨール美術館。

彫刻家のマイヨールが常設展で、通常企画展をやっているミュゼです。

前回は家族でPOP ARTを観に行った記憶が。

小ぶりのミュゼで、ちょこっと美術鑑賞にはいいサイズです。

 

今回の企画展は、私も初めて名前を聞く北フランスで絵画を描いていた

19世紀終わりから戦前・戦後くらいまでの3名の画家。

よく知らないけど、逆に何か調べたりせず、先入観なく観よう!という気分でした。

 

時間通りに行きますと、マスク着用義務、手をアルコール消毒

そして体温をピっと測ってくれました(←これは初)。

 

そしていよいよ、外出禁止制限解除以来、初のミュゼ!

待ちに待ったミュゼー!!!!!

 

これがね、面白かったです。

一緒に行った友人は、ちょっと怪しいものが好き。

占い好き、ルルドの泉好き、浄化グッズ好き、クリスタル好き。

好きなんだけど、すっごいミーハーに「そういうのが好き」なので

いわゆるホンモノのスピ系ではないのです。

 

が、「引き寄せられた」と思わずにいられない展覧会でした(笑)。

その名も『精霊はそこにいる?あちらの声を描いた画家』というタイトル。

タイトルまできちんと読んでなかったので、驚きましたね。偶然?引き寄せ?に。

 

以前、ケ・ブランリー美術館での企画展を取材したときに

呪術用の古代の人形から、現代日本のラブドールまでの展示作品の中に

オカルトの流行のコーナーがあったんですね。

人間と人形の差異というテーマで、人形に魂が宿るとか、人間のオーラを写す写真とか。

 

ヨーロッパでは、(多分アメリカが起源だと思います)世紀末と戦前に

時代の不安を反映して、オカルティスム、スピリチュアリスムが流行ります。

「あちらの声」を筆記するマシーンとか文字盤とか(こっくりさん)

椅子を空中に浮かす、スプーンを曲げる、心霊写真をとる、などなど。

 

今回のこの3人の画家は、北フランスの鉱山で働いたり、配管工だったりしたのですが

「あちらの声」を聞いて、アート作品を作ることに目覚めたのだそうです。

エジプト王の墓が発掘されれば、作品にエジプト絵画が模写され

キリストがいたり、ブッダがいたり。宗教観があるんだか、ないんだか。

それを、アラブ世界なのか曼荼羅なのか、緻密な幾何学模様の中に配するんです。

幾何学模様の方は、オプティカルな効果もあって、目がチカチカ

わー、緻密ですごいー!圧倒されるー!ってな感じなのですが

突如入ってくる具象が、いわゆるヘタウマで

絶妙な(奇妙な)バランスの絵画となっていました。

 

いろいろな解釈があっていいのですが

私としては、アート活動というより

彼らはそのスピリチュアリスムやオカルティスムに突き動かされて

その表現を「絵画」としたまでであって

作品のアートとしての評価は別のところにあるかな、と。

あくまでその中の「あちらの声が何だったのか」を見せたかったのかな、と。

 

学芸員はアールブリュット(アウトサイダーアート)の専門家でした。

なので、美術教育を受けていない、アカデミックではないアートとして鑑賞すべきなのかもしれません。

ですが、この画家たちのもう一つの肩書き(と展示キャプションで書かれている)は

「ヒーラー」「治療家」であり

私もちょっと「エネルギー」というところに片足を突っ込んでいるので

19世紀末から戦前までの人々の「不安」から生じるさまざまな症状を

これらの作品が(もしくは画家の彼らが)どんな風にアプローチしたのかなーと

考えてしまいました。

 

自身のカタルシスのための作品だったのか

オカルト協会(的なものに所属していたらしい)のためのシンボル的な作品だったのか

はたまた、これを治療に役立てていたのか!?

いろいろ考えてしまいました。考えすぎかな。

 

時代の空気としては、フロイトの精神分析論が一斉を風靡していた時代。

アンドレ・ブルトンも彼らの作品を収集していたそうです。

 

とまあ、なんとも「怪しい!」作品で

また新しいタイプの思考を知ることができました。

 

美術鑑賞をして、ただの個人的な感想を喋る分には(ブログだけれど)

どんな風に感じたのか、たとえ事実と違っていても、いいとは思うんです。

これが、アート系の記事となりますと(私もたまに書いていますが)

無責任なことは言えませんので、しっかり彼らの履歴や文献やらを調査して書くのですが

今回は、「へー、おもしろいなー」と観ながら、私が頭の中で何を思ったのか書いてみました。

ご興味あるパリ近郊にお住いの方、11月1日までやっているそうですので

ぜひご自身の目で見てみてください!

 

私は、フロイトとか19世紀末の精神分析の世界を知りたくなったので

また調べてみようと思います!



ミニアチュールとエジプト美術のコラボ🖼