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「抜苦与楽」の具体的な「実践」の在り方について、
今回は《「抜苦与楽」と「慈悲」の「具体的な実践」
をあなたは「どう捉えていますか？」》ということ
を「テーマ」としています。そして、本来の「仏教」
においては様々な「実践法」が存在している訳なの
ですが、最後は「布施」の考え方に付いて考察した
いと思います。
「布施」とは広義において「ほどこし」を意味して
います。一般の方々は「お布施」と聞けば「お寺」や
「お坊さん」に対して「支払うお金」「読経や戒名」
に対する「対価」だと考える方が大半だと思いますが
それだけを表している訳ではないのです。よくこの
場合の「お布施」は「幾らかかりますか？」とか、
「戒名料は？」とかの疑問を目にしますが、本来は
何かに対しての「対価」ではないので、決まった金額
は有りません、
《そもそも目の前の「お坊さん」に渡しはしますが、決して「あげる、支払う」訳ではなく、「お布施」とは「ご本尊」に対して「捧げるもの」なのです。》
「お布施」は「お心付」のように「祝儀」とは異なり
ますが、「お金持ちの人」の「1万円」と「若い学生」
の「千円」が心の負担において「等価値」なのと同じ
で自分の経済的事情の無理のない範囲で「財施」とい
う「お布施」を包み、その「心」を受けてお寺は「ご
本尊」を維持し、ご住職やその家族の生活を「助ける」
という意味合いを持つのです。
そして、ここからが本番で大切な部分です。
「布施」とは「支払うお金ではない」と言いました。
広く「ほどこすこと」と言いました。
《そもそも「布施」とは「仏教」における「実践の修行法」でいる「六波羅蜜＝布施、持戒、精進、忍辱、禅定、智恵」の一つです。》
《「布施」とは「お寺、お坊さん」等にあなた方が「お金、物」を捧げるだけではなく、逆に「お寺、お坊さん」そして「あなた」が広く他の人達に財物を施したり、相手の利益になるような「教え」を説いたりすること全般を示しているのです。》
《つまり「修行者」として現実的に活動する他の人達の為になる「実践の全般」が、これ「布施」ということだと言えるのです。》
「六波羅蜜」の「布施」には三つの意味があります。
《「財施」＝金銭、衣服、食料等を施すこと、勿体無い、むさぼる、惜しい、恩に着せる様な心を抱かせない様にする事》
《「法施」＝物質やお金ではなく、お釈迦様の教えを説いたり、他人の為に読経をする事等》
《「無畏施（むいせ）」＝畏怖の念を取り除く意味、他人の「不安、恐怖」を取り除き「安穏な心」を与える事》
つまりは、他の人達への「役立つこと」その「実践の
全て」が「布施」という訳です。その全てが自身の為
の「修行」なのだ、とした時、あなたはどこまで積極
的に、その「実践」に対して「挑んでいくことが出来
ているのか？」が問われるのです。「私なんてまだま
だ、人に教えるなんて、」という言葉をよく耳にしま
すが、それは「謙遜」なんてものではなく、ただ単に
「修行の実践」を疎かにする「言い訳」にしか過ぎな
いのが、これを理解すれば分かるのではありませんか？
《我々は肉体というものを持つ以上、他の人と会って会話し「役立って」はじめてなんぼ、という事です。》
ですから、その「言い訳」は「布施」という「修行」を
怠っているだけ、と言えるのです。
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