常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

瀧山

2020年02月22日 | 登山
毎日、朝夕に眺める山、瀧山1362m。春の雪が降ると、その山中には、どんなサプライズがあるのだろうか。つい想像をめぐらす、同時にその姿から、まだあの山に登れるだろうか、という一抹の不安がよぎる。今日の山頂は穏やかで、真向かいには蔵王山の雄姿がその存在感を示していた。登頂を果たして、不安が吹き飛んだかというと、言い切れないという思いが胸底にはある。我が会にとって、この山は冬の定番であった。元気であった時代は、急峻な西壁に付いた雪の上をものとせず、頂上への直登を果たした。しかし、年々会員が高齢化するとともに、参加者は減少していき、最後に登った時は、男性3名という状況であった。

瀧山の南の蔵王温泉側は高湯爆裂火口の火口壁になるもので、屏風岩と呼ばれる。さの北の斜面には瀧山ゲレンデがあり、この日もボーダーを楽しむ若者の姿がちらほらとあった。かつて国内でも名高い蔵王スキー場は、スキー人口の減少と今年のコロナウィルスの流行で、そして歴史にない少雪で淋しい姿を呈していた。しかし、蔵王の山並みの気高さ、遠く飯豊、朝日連峰、月山、葉山、鳥海から右へを視線を移せば最上の山々の眺望は、変わることなく悠久の姿を見せている。
の台ゲレンデから蔵王スカイケーブルに乗って中央高原駅へ。ここからゲレンデの縁を通って温泉を要とする扇の縁のような稜線を目指す。雪は少なく、カンジキは履いたが、それほど沈まないので疲れは少ない。この稜線を歩く度に思うことがある。それは、目に入る稜線の長さだ。自分の足があの稜線を経廻ったのか、信じられないような気分になる。しかし、GPSで見ると6㌔ほど、歩数にして12000歩ほどでしかない。急坂を登っているので、脚には快い疲労感が生れている。こんな錯覚と目を見張るような雪景色。夏、姥神コースや前滝コースなどそれぞれの魅力を知っているが、春間近のこの季節が一番心に響く。今回の山行は、新会員のマンパワーで実現した。初めて雪のなかを歩いた人もいる。夏とは違う、難易度もまたある。9時に出発して頂上には12時半着。休憩を含めているので、ほぼ予測通りのコースタイムである。
この山のもうひとつの魅力はブナ林の美しさだ。この日は霧氷などはついていなかったが、厳しい寒さのなかでは、装った美しさになる。ある時、「こんなきれいなブナ林を見たのは初めて」というと仲間が、「できれば持ち帰って家のものに見せたい」としみじみと語っていたことを思い出す。頂上でカップラーメンの昼食後、急なブナ林の中を下って、温泉街の駐車場を目指して下る。勾配がきつく、ブナやブッシュに掴まりながら、慎重に下る。それでもなれない人たち融けかけた雪に足を取られて転倒。叫び声や笑い声が山中に響く。悪戦苦闘の1時間、やっとの思いで竜山のゲレンデに出る。3時ころになって、ポツリポツリと雨。風も少し出てきたような感じだ。
カメラで撮影しながらいつももどかしい感じを抱く。せっかく見えている景色が、充分な迫力を持って再現できないことだ。撮影技術もあるし、カメラの良しあしもある。今回感じたことは、スマホのパノラマに一日の長があることだ。もちろん、主に使用しているペンにもその機能もあるし、時間をかけてアングルや光の加減を考えればよりよい写真は撮れる。しかし、登山のながら撮影ではそんな時間の消費は許されない。雁戸から山形神室へと続く稜線はスマホ撮影によるものだ。本日の参加者6名、内男性2名。

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