常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

大森山

2019年12月07日 | 登山
山形を山寺街道を進み、立谷川工業団地を過ぎ、大森集落へ向かう。この集落を見おろすに聳えるのが大森山だ。聳えると言っても、標高366mの小さな里山である。頂上を見上げれば、電波塔が立っている。奥にある雨呼山などの少し高い山は、すっかり雪景色を見せているが、大森山にはまだ雪は積もっていない。それにしても、昨日までの寒波で、12月早々というのに、肘折では1ⅿを越す積雪で、全国でも一番の積雪となった。昨日の3時ころから低気圧が去ったのか、陽がさし、今日は晴れ間の見える絶好の登山日和となった。

集落の神社の前の少し広くなっている路上に車を置き、登山口に向かう。道いっぱいに落ち葉が散っている。昨夜の雪はとけて、枯れ葉を踏んでの山登りだ。こんな冬の陽ざしは気持ちいい。落ち葉を踏む音は、いつ聞いても懐かしい。道いっぱいの落ち葉を踏む音は、歩く人の数によっても異なる。山登りと始めたばかりの30年も前、宮城県の里山を大勢で落ち葉を踏んで、走り降りたことが、つい最近のように思い起される。

今日の参加者は5名だが、なかに高齢のSさんがいる。山への意欲は年を重ねても減退することはない。だが、少し登ると息切れがして途中リタイアが続いていた。今日は、Sさんにぜひ頂上まで行って欲しいと思ってのは、メンバー全員の気持ちであった。里山は急坂が多い。登山口からいきなりの急登で、道はジグザクに切られている。頂上まで標高差で200m、距離では1㌔足らずだが、Sさんの疲れを見ながら随時休憩をとる。9時40分の出発して、頂上には11時だが4度ほど各5分ほどの休憩をとる。この度は、リタイアもなく頂上着。麓の集落、雲のなかにわずかに見える月山、葉山の眺望もあった。
高度300mほどで、落ち葉の上の雪が見えた。写真に撮ると、初冬の雰囲気が出ている。ややらかい冬の日のひざしのなかで、持ち寄ったおやつを食べる。風もないこんな日和に出会えるのは、幸運というよりほかはない。石川啄木の歌が懐かしい。

旅の子の
ふるさとに来て眠るがに
げに静かにも冬の来しかな 啄木

一歩、歩を進めれば、すでに荒涼とした山の景色がある。こんな景色のなかで、おやつをほおばり、他愛ない話題に興じるのは、実に至福の時間だ。登山口に取って返すと12時にちかい。近くのあるラーメン店「とんとん」で味噌ラーメンに舌つづみ。2週間ぶり、冬の日の快適な山歩きであった。


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