国鉄民営化とは何だったのか?鉄道省から国鉄へ 第5話 電電公社誕生 | 鉄道ジャーナリスト加藤好啓(blackcat)blog

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福祉と公共交通の視点から、鉄道のあり方を熱く語る?
blackcat こと加藤好啓です。
現在の公共交通の問題点などを過去の歴史などと比較しながら提言していきます。
随時更新予定です。

久々に更新させていただきます。

本日は、国鉄から少し離れて、電電公社のお話をさせていただこうと思います。

国鉄のblogで、電電公社?と訝しがる方もおられると思いますが、電電公社と国鉄はその立ち上がりから全く異なるものであり、国愛運動にあっても途中から、国鉄とは異なる動きを示していくようになります。

もとより、電電公社に関しては私は、全く奉職もしたことがないので詳細はわかりませんが、出来るだけ当時の記憶などを参考に、また色々な資料などを参照したりしながら少しだけ綴らせていただこうと思います。

 

国鉄誕生と同時に誕生した電気通信省

電電公社は、元々電気通信省という省庁でした。

戦時中に分離した逓信省から分離したもので、逓信省は郵政3事業を所管する省庁として、電気通信省が逓信省の所管のうち電気通信部門と、放送行政部門、電波行政部門を所管することとなりました。

しかし、誕生の翌年、昭和25年6月には、 電波監理行政を総理府に返すとともに、同年12月には航空保安庁【航空管制部門の所管】も廃止され、こちらは運輸省の所管になりました。
そして、昭和27年には自ら郵政省の外郭団体として移行、その後日本電信電話公社として発足することになりました。

電気通信省から自ら公社への移行を計画

上述のように、電気通信省は自らの意思で電電公社への道を選びました、その背景には電話の需要に応え切れていないという潜在的な問題を抱えていたからでした。

当時の電電公社の交換機は、ステップバイステップ交換機と呼ばれるもので、寿命は20年ほど、新規設置が全国に行き渡った頃には次の新しい交換機を設置する工事が始まる状態であり、また電話機の設置希望も多く、待ってもらうと言った状況であったようです。

NTTグループの歩み を参照しますと電電j公社の設立を下記のように書いています。

逓信省、電気通信省と官営で行われてきた電信電話事業が1952年に日本電信電話公社に引き継がれたとき、日本は戦後復興の途中にあり、設備は荒廃、技術も海外に遅れをとっていました。
日本電信電話公社は、「すぐつながる電話」という国民の要望に応えるべく、さまざまな取り組みをしてまいりました。

スリム化して、電話の設置に特化するという方向で、電電公社は誕生しました。
なお、組合に関しては電気通信省発足の翌年、昭和25年9月に全国電気通信従業員組合(全電通)として発足しています。
全電通も元々は全逓ですので、かなりきつい闘争を繰り返していたのですが、不思議と国鉄のように分裂しませんでした。
もっとも、昭和39年4月17日の統一ストに反旗を翻した組合員114名を除籍された組合員は、1981年に通信産業労働組合(現JMITU)を結成しますが、これ以外は分裂していません。
NTTグループの歩みから引用
国鉄のように分裂しなかった、全電通
ここは、国鉄の組合との比較という上で注目していただきたい部分なんですね。
上部の統制がしっかりしているのか、分裂を良しとしない・・・結果的に、組織としては統一的に行動できたと言えます。

何故、国労は分裂を繰り返し、全電通は分裂を避けられたのか、当局側の態度も含めて考えていく必要がありそうですが、非常に興味深いところではあります。

あくまでも個人的な私論ですが、電話はどちらかと言えば労働集約型産業でなかったことや合理化などを進めやすい環境にあったことも、あるのかなぁと思ってしまいます。
実際、電電公社では、昭和50年代後半から民間的手法による【生産性を上げることで賃金も上げる】賃上げを模索しているところがあり、国労が最後まで階級闘争にこだわったのに対し、電電公社と労組は階級闘争よりも実質賃金上昇を求めることとしており、結果的に民営化の場合も進んで民営化の道を選ぶなど、国鉄との比較を進めていくのは非常に興味深いことではないかと思います。

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日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代

 

 

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