第6話 未払賃金立替制度
★プロローグ
あるコンビニのオーナーが失踪してしまった。
コンビニの本部からも借金をしながらなんとかやってきたが、24時間のお店を回すのはとにかく大変であった。
雇っている店長にはなんとかうまく言いくるめて、長時間労働、少ない休日で働いて来てもらったが、それでも限界である。
そもそもフランチャイズの経営は基本は夫婦である。または兄弟、親族。いずれにしても2人で経営するというのが条件なのである。
雇っている店長は経営者ではない。
オーナーにはかつて奥さんがいたが、コンビニの経営に嫌気が差して離婚して辞めてしまった。
本部は代わりの経営者を立てろと言って来てはいたが、いないものはしょうがない。
オーナー、店長、アルバイト少数の人数でなんとか回してきたというのが現実である。
それほど人件費を抑えていても利益は出ていなかった。
目の前には他のチェーンのコンビニがあり、なおかつ、同じチェーンの店が100メートルだけ離れたところにある。
平均日販も40万円という苦しい立地である。
オーナーが初出店した時はこうではなかった。
店の前はただの駐車場で何もなかった。
同じチェーンの店も初出店時は他のチェーンの看板を出していて、差別化はされていた。
初出店時の平均日販は65万円である。同じチェーンに裏切られたのと一緒だった。
要は経営が苦しくなってとんずらしてしまったのだ、従業員の給料の未払い分を残したまま・・・
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