【旧 三月十五日 大安】清明・虹始見(にじはじめてあらわる)

海棠はまだ咲きそめの実のごとき小花ぞゆらぐかぜふきしかば
  ~上田三四二 『遊行』

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Photo:ハナカイドウ

 酒に酔って眠たげな楊貴妃の姿をみて玄宗皇帝が喩えたという花。それが海棠《かいどう》とよばれるバラ科リンゴ属の落葉小高木です。和名も中国名そのままで、ハナカイドウ、シダレカイドウ、ヤエカイドウ、ウケザキカイドウなど、種類ごとの名称があります。桜の季節が終わるころ、薄紅色の花を咲かせますが、桜よりも少し紅色が濃いかわりに何ともいじらしくうつむき加減に咲くのです。花言葉は「妖艶」、あるいは玄宗皇帝の言葉を受けて「美人の眠り」。可憐とも妖艶とも言われるのは、つぼみが膨らみ始めてから満開を過ぎて散り始めるまで、どの過程でも鑑賞にたえる魅力があるからでしょうか。人間の女性と同じですね(人によるけど)。

青墨をすりつつあれば夕くれて海棠残花奥ふかまりぬ
  ~斎藤史 『渉りかゆかむ』

 埼玉県秩父市上吉田の明ヶ平地区から小川地区にかけての3km区間は「カイドウ街道」と呼ばれ、約20年前から約1,000本のカイドウが植えられ、毎年この季節に観光客の目を楽しませています。

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Photo:「カイドウ街道」のハナカイドウ(埼玉県秩父市)

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