令和2年3月28日(土) 【旧 三月五日 先勝】春分・桜始開(さくらはじめてさく)

落しきし手套の片手うす暗き畫廊の床に踏まれあるべし
  ~葛原妙子 『飛行』

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Photo:「睡蓮」クロード・モネ

 手袋が落ちている風景というのは駅の階段などで見かけそうな風景です。戦前の物のない時代ならともかく、今は誰も拾いません。この短歌は葛原妙子(1907-1985)がどこかの画廊に行った帰り、手袋の片方がないのに気づいたのでしょう。おそらく今頃は薄暗い画廊の中で誰かに踏まれているのだろうと想像しています。次は岡井隆氏が名画を題材に詠んだ短歌。誰の絵なのかはすぐに分かりますね。

睡蓮は水の恋人、くれなゐのまぶた明るく閉ぢてひらきて
  ~岡井隆(1928-)

 私の手元に大阪市立美術館で開かれる(はずだった)改組 新 第6回「日展」のチケットがあります。これもまた例のウイルスのせいで2月29日から3月16日まで臨時休館、更に延長されてそのまま閉幕となってしまいました。払い戻し? いただいた招待券だから返金してもらうわけにはいかないんです。さらにあべのハルカス美術館の「薬師寺展」も休館延長中。会期は4月19日までとなっていますが、どうなりますことやら。これもいただきものの招待券ですが。
 今日3月28日はロシアの作曲家、モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)の忌日なので、おまけは組曲『展覧会の絵』から第5曲「卵の殻をつけたひな鳥」をバレエで。


Youtube:パシフィック・ノースウェスタ・バレエ団

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