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2019年10月から、消費税が予定通り10%引き上げられます。
日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36492750V11C18A0000000/
朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKCN1MP0PX.html
安倍政権が10月から消費税を10%に引き上げることに国民・中小業者の不安と怒り
の声が広がっています。
「10%消費税が日本経済を破壊する」と訴えているのは
昨年12月まで内閣官房参与を務めていた藤井聡・京都大学大学院教授。
「消費税増税は凍結、消費税減税こそが最大の景気対策。法人税の引き上げこそ、
最も検討すべき対策」と発信しています。
安倍側近が警告「消費増税がリーマン危機『数十個分』の被害を招く」
日本の中枢を知り尽くした男の全告白
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65426
消費税10%の「最大問題」
藤井氏はなぜ消費増税に警鐘を鳴らすのか――。
その最大の理由は「日本に激しい景気悪化を招くから」だと藤井氏は言う。
「現在のように物価が上昇していない局面での消費増税は、物価を強制的に引き上げることになります。国民はデフレで物価が上がらないのが当たり前という感覚の時に、急激に物価が上がれば、必然的に消費が冷え込みます。消費は経済を牽引する最大のエンジンなので、それが冷え込むことで経済は激しく停滞します。これが消費増税の最大の問題です」(以下、「」内はすべて藤井氏の発言)
下のグラフをご覧頂きたい。
これは1世帯あたりの消費支出額の推移を示したものである(総務省発表資料より、各年一月分のデータに基づき藤井氏作成)。14年の消費増税により、わずか3年で約9%もの消費が落ち込んでいることがわかる。このような状況で消費税10%にして消費をさらに冷え込ませれば、日本経済に破壊的な打撃をもたらすのは火を見るより明らかということだ。
藤井氏は言う。
「デフレに加えて世界経済見通しも厳しい状況下にある現在、消費増税による破壊的影響力は極大化しかねない。振り返ると、2014年の増税が日本経済に決定的な被害をもたらしました。あれを契機に実質賃金が5%低下するなど、増税後の5年間で激しく賃金が低下しています。ただでさえ世界経済の停滞が目に見えている中で、さらに日本経済の6割を占める消費を冷え込ませれば、日本経済にダブルパンチで打撃を与えることになる」
安倍政権は軽減税率やポイント還元などの増税対策を実施することから、消費増税による悪影響は限定的なものだと主張している。しかし、藤井氏はそうした意見を一蹴する。
「対策は一時的なものでしかなく、焼け石に水です。仮に本気で対策を実行するとすれば、消費増税分の数倍規模の経済対策を、しかも数年間続けなければ効果がないでしょう」
消費税10%で「リーマンショック数十個分」の悪影響
では、消費増税を実行した場合に日本経済が受ける被害はどの程度なのだろうか。
藤井氏は、
「分かりやすく言えば、リーマンショック数十個分の悪影響を与えるでしょう」
と言って、一つのグラフを示した。
これは過去25年間の実質民間最終消費支出の推移を示したもの。このグラフからある重大な教訓が得られるという。藤井氏が指摘する。
「このグラフを一目で見てわかる通り、94年以降、日本では消費が大きく下落した年が4回あります。具体的には、97年と14年の消費増税、08年リーマンショック、11年東日本大震災の時がそれに該当します。このうちリーマンショックと東日本大震災という不可避な外的要因のアクシデントが起きた際には、消費は一旦大きく落ち込むもののその後は元の水準に戻っていることがわかります。
これに対して2度の消費増税時には、消費は一旦落ち込むだけでなく、その後も消費はそれ以前よりも低い伸び率になってしまっている。消費増税は一時的なものではなく、恒常的な措置。そのため経済への悪影響が大きく、長期間にわたってしまうわけです」
確かに過去には消費増税をして以降、グラフの「傾き」自体が大きく鈍化していることが見て取れる。さらに、以下のグラフは消費増税がなければ本来であれば実現できていたであろう経済成長推計値を示しているが、その推計被害額はリーマンショックによるそれの数十倍にも及ぶことがクッキリと見て取れる。
いま仮に消費税を10%に増税した場合、消費が「下落傾向」になる可能性すらある。まさに日本経済に「壊滅的影響」をもたらしかねないというわけだ。
「安倍令和恐慌」の幕開け
藤井氏が明かす。
「安倍総理には今年も含めて7年間、財政政策に絞って何度も説明をしてきましたが、驚くほど良く理解されていると思います。他にも官邸で耳を傾けてくれた方はみんな理解してくれている。しかし、自民党を中心として政界であまりにも緊縮思想が支配的になっており、安倍総理といえどもその空気に抗えない。その空気を変えるには世論を変えるしかないと確信したので、私は官房参与を辞めたのです」
そもそも、デフレ下で消費増税を断行すれば経済をより一層冷え込ませるというのは庶民感覚で考えてもわかる理屈。そんなある意味で「当たり前の認識」が、なぜ政治の世界では否定されるのだろうか。
「今、政治家や学者などエリート層に『消費増税することが正しいことだ』という空気が蔓延しています。増税をすることが賢くて、道徳的だという一方、増税反対というのは不道徳で愚かだという空気です。『このままでは日本は破綻する』という明らかなデマゴーグが堂々とはびこる中、増税を主張することが日本のことを考えている証になってしまっているんです」
藤井氏が「消費増税や公共事業費の削減」を不況の原因だと指摘すると、それに対して日本が低成長にあえいでいる原因は「少子高齢化にある」と主張する有識者は多いという。しかし、藤井氏は「それは大きな間違い」だと指摘する。
「日本が低成長に苦しんでいるのは97年の消費増税以来です。この間、人口が減少していてもGDPが大きく成長している国はたくさんあります。このグラフ(下図)を見てください。人口の増減とGDP成長率との相関は認められないでしょう」
結局のところ、「どうしても景気悪化の原因を消費増税以外に求めなければいけない人たちがいる」ということだ。
「もし消費税を10%に上げれば、日本は恐慌状態になります。安倍令和恐慌になるわけです。でも、その時には『これは米中経済摩擦のせいだ』とか『オリンピック恐慌だ』とか増税以外の理由を持ち出してくることでしょう。97年の増税の時も、ほとんど影響のなかった『アジア通貨危機』のせいにしているんです。このままでは同じことの繰り返しです」
日本の政治は復活できるか
続きは↓
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65426?page=5
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