Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

蟷螂之斧

2020年06月05日 21時47分33秒 | 俳句・短歌・詩等関連

 

 本日より芒種、歳時記によると二十四節気で、新暦の6月5日前後になる。イネ科の穀物を播くころということである。最初の十日間を七十二候では「蟷螂生まれる」という。
 俳句では「蟷螂生まる」ば夏、それもこの頃の季語に蟷螂(かまきり)が孵化することから。

★蟷螂生る鉱泉宿が茶殻干す       皆川盤水
★ささやくは芒種の庭の番鳩       石原八束

 蟷螂というと「蟷螂の斧」という言葉を思い出す。カマキリの前足のことであるが、「淮南子」に「弱い者が自分の力をわきまえず、強い相手に立ち向かうこと。身の程をわきまえない行動をすること。かまきりが前脚をあげて、斉せいの荘公が乗る大きな車に立ち向かった」という故事がある。「荘公」は「此れ人たらば必ず天下の勇武と為らん、といってカマキリを避けて車を動かさせた」という。
 この蟷螂の姿を「淮南子」の中では、荘公の臣下は「身の程知らず」とし、荘公は「勇武」と評価した。
 さて、どちらも処世訓としては成り立つだろう。どちらの立場に立つか、という一般論にはしたくない。
 私ならばたとえ相手が強大で力の差が歴然としていても、尻尾を振ってなびくことはしない。どこか相手の弱点を探しながら、自分の位置をさぐる。強大であることを理由に擦り寄ったりはしない。逆に相手が弱小であっても、敬意を持って相対する。



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