Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

台風来

2020年09月22日 21時39分31秒 | 俳句・短歌・詩等関連

 本日の帰宅途中で見た東の空の雲の暗さには驚いた。午前中の明るい陽射しと青空に気分が晴れやかになったばかりであったので、いっそう暗さが不気味に思えた。

★放課後の暗さ台風来つつあり      森田 峠

 台風が間もなく襲来しそうな夕刻だろうか、私はこの句で、学校の外から電灯の消えた校舎を振返った記憶を呼び覚まされた。小学生には広い校庭と校舎、奥行があり不気味さを感じたのだろうか。「学校に出る幽霊」におびえた小学校低学年を思い出す人もいるかもしれない。それはそれで羨ましい。
 だが私は違う。小学校最後の2年間は、校舎を振り返るたびに、校舎が明日は消えてなくなってほしいと念じつつ帰宅した。特に梅雨の末期の大雨のときや雷が鳴るとき、台風シーズンのときは、教師や同級生の顔を思い出しながら、すべてのこの世の人間関係が消えてなくなってほしいと、子どもながらに真剣な思いで校舎を振り返ったものである。その時の校舎の暗さは今でもよく覚えている。
 いまでいう登校拒否にならなかったのが、不思議と云えば不思議である。そんな嫌な60年近く前の記憶が、蘇ってくる。今はその記憶を受けとめることはできる。受けとめることはできても、吐き気はおさまらない。
 一方的に教師や同級生に非があるわけではないだろう。転校生の私がこの地の人間関係になじめなかったことが原因ではあるだろうが、しかし11~12歳の子にはそんなことは理解できなかった。
 卒業後6年経ち、大学生のころ帰省してたまたま当時住んでいた家の傍で、会いたくもない同級生と目が合ってしまった。その商店を継ぐのであろう。私が目を逸らす前に「今度同窓会やるよ」と白々しく言われ、「お断り」と大きな声で宣言して二度とその店の前は通らないことにした。



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2 コメント

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Unknown (yuupote)
2020-09-22 22:14:16
お邪魔いたします。

私も小学校後半~中学時代の記憶は明るくなく、ふと自分の事を思い出してしまいました。

我が家も転勤族。
何かあれば、息子には「無理はするな」と伝えたいです。
yuupote様 (Fs)
2020-09-23 00:02:08
ご訪問とコメントありがとうございます。
私のブログで嫌な過去を思い出させてしまったこと、申し訳ございません。

転勤で私は小学校を3つも変わりました。そのストレスというのは今思うと、大変なものでした。
横浜のはずれの新興住宅街は、転勤族と地の方とが絡み合って、しかも学校建設が間に合わず、複雑だったと思います。親もまた無理をしていたのだと思います。

お子様にはのびのびとした学校生活を送ってほしいものですね。
「無理はするな」と言ってもらえるのは本当に幸せなことだと思います。

ときどきはまたこのブログを訪問してください。何かお役に立つものがあれば望外の喜びです。

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