Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

あまりに感覚的だが‥

2020年07月05日 22時06分31秒 | 俳句・短歌・詩等関連

★黒南風の岬に立ちて呼ぶ名なし     西東三鬼

 黒南風(くろはえ)というのは、梅雨時に湿度の高い南風のことをいい、特に黒く暗い雲が垂れこめたときを指す。梅雨の晴間や梅雨明け直後の明るく湿気の少ない南風を白南風(しろはえ)という。
 昨日からの雨と風により、黒南風と白南風が交互に私の頭の上を通過していったのではないだろうか。
 この句、「呼ぶ名なし」が私の気持ちにズシンと響くものがある。精神にモヤモヤしたものや、苛立ち、不安などを抱えてはいるものの、現実にはその実態が自分でもわからない焦燥感というものに引きづりまわされることがある。
 昔、学生のときに焦燥感と共にさまざまな行動に出た。しかしその行動のもっとも先端に自分を駆りたてたとき、一体自分は何をしたかったのか、その実態が「空虚」でしかなかったのではないか、という疑いを抱いたことがある。
 自分のすべてがその時点で「無」に覆われた感がある。そんな緊張感と孤独感がこの句を読むと当時の気持ちが、濃密に立ち上ってくる。求めたもの、掛けたそれまでの時間‥いくら若すぎた選択といわれようと、そのことにこだわりつづけるのが、人生というものの結末のつけ方ということを理解した。
 あまりに感覚的な文章で、自分自身にしかわからないと思うが、本日の私の水準として勘弁してもらいたい。
 



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