My good JOB | HANDLERのブログ

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みなさんこんにちはHANDLERです。

 

翌日の天気が悪くない限り毎日の通勤はチャリにしてます。

どこからか沈丁花の香りが漂ってきてすごくリフレッシュできる時間となってます。

群馬はどこへ行くにも車やバイクという感じなので、車で移動しているとそんな匂いも感じられず、ずいぶんもったいないなんて感じてしまいます

すごくオジサンっぽい…まぁその通りなんですけど(笑)

 

表題のMy good JOBです。

 

日ごろからいい仕事とはどんなものか考えたりします。

丁寧にやる、お客様の要望に応えきる、ストーリーを理解する、コスパを高める…

ケースによってはそれが良い仕事なの?という真逆に思える仕事も請け負います。なので、恥ずかしくなるような仕上がりに意味を込めている場合もあります。

これは良いわけではないんですけど(笑)

 

つまりフルオーダー品には客相という雰囲気が作りあがるものに加味されるので、「僕色」というようなものが薄れてしまう。

良くも悪くもそういう物だと考えています。

 

何でそんなことを言っているかと言いますと、これから建てようとしている店舗に並べる「商品」が無いんです…

 

まったく…(笑)

 

作り終えて所有しているパッチ類はあるにはあるんですけど、オープンにはまだ見られていない新しい刺繍を用意できたらいいなってやっぱり思います。
そういう準備された刺繍は、やっぱり僕色になっていると思うんですよね。

その制作がなかなか進まず鬱々としていまして、その一つにこの新しい作品

明らかに鬱々の原因の一つです(笑)

MuchaのJOBです。

この作品はリトグラフなのは言うまでもないのですが、まあ言ってみれば…

 

「刺繍用に考えられていない」のです。

 

JOBを刺繍で作るという作業を考えたとき、「~風」いわゆる何々風なものであれば迷わず端折ってしまうこの絵柄のフレームにあるクラックのような表現が物凄く高い壁なんです。

クラック(じゃないと思うけどここではクラックとします)は、実物と同じサイズ感に表現した場合、およそ5mm程度の刺繍になります。

それが全周に無数にございます。いつか数えてみようか…

どなたか時間があるという方数えて僕に教えてくださいm(__)m

 

このクラックは表現するのに通常の毛糸を使いますとかなり強くなってしまいゴチャゴチャになるので、最初は裏縫いしようかと思ったくらいです。つまりチェーンの裏を使う表現ですが、そんなことする刺繍家を僕はいまだ知りません。

たぶん僕位です。

ご依頼品だったETではサイズ的にチェーン刺繍になると顔のシワを表現する場合に太くなるので面積に対して混みあってしまうことがあります。

こういう場合に細い糸を使いチェーンを小さくする方法が一番良いのですが、それでも追いつかない場合に裏から刺繍して線を細く見せることをたまにやります。

 

やってみるとそれなりに大変でして、表の表情を見ずに刺繍するので、このETみたいに下絵無しのフリースタイルになるとどんどん顔がETらしくなくなる。

 

 

その点JOBは無機質な模様なので行けるかも⁉

と思っていましたら、本数もオリジナルと同じにするという高度な要求を課していたので、準備ができた時点で裏返してみたところ不可能でした。

それでは通常通り表から刺繍をするほかないと結論を出しても、気持ちが盛り上がらないと(笑)ミシンが進まなくて…

 

フレームにあるクラックだけでおよそ30時間かかってしまい、僕は煮干しのようになりました。

気分だけ(笑)

 

 

 

途中ストップウォッチをかけ忘れてから計測をやめてしまったのですが、サロンデサンと比較にならない時間がかかってしまいました。

サロンデサンはシニールに仕上げていますので、通常のチェーンより時間がかかるのですが、そんなちっぽけな事っていう位今回のチェーン刺繍で仕上げたJOBはとんでもないものになりました。

始めはこのJOBもシニールにするつもりでしたが、クラックの表現が埋もれてしまうという最大の理由からチェーン刺繍に変えました。

結果良かったと思っています。

 

それでも実物大のサイズでチェーン刺繍にするとまだサイズ的に小さいのです。

針棒は極力下げて針のポイントが刺繍に擦れるくらいにしてますし、刺繍精度をものすごく上げて丁寧に刺繍しているのですが、色が混みあう箇所では生地がこなれてしまって叩き伸ばされて歪む。

気づいたらフレームが真っすぐではなくなっていたり…

途中「あぁなんでこのサイズにしたんだろ、もっと大きくしたらよかったのに」って頭の中でリフレインしてて本当に鬱々としてました。

 

それも3.11に終えて今日額装するために刺繍を納品してきました。

少し休みたいけど店舗の刺繍製品を少しでも格好つけないと…

JOBの公開は店舗工房のオープンにお披露目できたらいいなと思っています。

是非皆様に観ていただきたいです。

 

さて、話題を変えてこちらがHANDLER Inc.の店舗工房となる予定の建物です。

もとはてまりやさんという呉服屋さんがあった建物です。
二階は美容室だったそうです。

おりひめバスの末広町バス停の真ん前になります。

JR桐生駅からもバスに乗れますが歩いてこれる距離なので下車して5分ほどで歩いてこられます。

都内からお越しの場合は東武鉄道の急行りょうもう号に乗っていただいて新桐生駅下車になります。

そこからおりひめバスに乗ってもらい桐生駅に向かう路線になります。

お隣はデニーズさんです♪

 

 

 

それではまた次回