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私の「放浪記」―50年前、北海道から上京し、東京での生活。 [東京・青梅周辺]

私の「放浪記」―50年前、北海道から上京し、東京での生活。
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8月22日、森まゆみ著「森まゆみと読む 林芙美子『放浪記』」を読み始めた。
林芙美子は大正末期から昭和初期にかけて、十代から二十代初めに一人で上京し、底辺での生活を余儀なくされた。林芙美子は1903年(明治36年)12月31日に門司市小森江で生まれた。1914年の桜島の大噴火で戸籍が紛失して、不確からしい。父・宮田麻太郎はテキヤで鹿児島桜島の古里温泉に行商で滞在中、宿を手伝っていたキクを身ごもらせた。キクは門司で芙美子を生み、麻太郎と落ち着いたが、その後両親の離婚等に翻弄され、1916年(大正五年)尾道へ。尾道でも12回転居した。小学校で小林正雄教師に文才を見出される。1918年(15歳)尾道市立高等女学校へ進学。夜は帆布工場、夏休みは女中奉公にいったりして学費を稼いでいた。18歳の時には秋沼陽子の名で「山陽日日新聞」などに短歌や詩を投稿し掲載されている。1922年4月8日、19歳の時に恋人を追って上京する。相手は明治大学に通っていた岡野軍一で小石川区雑司ヶ谷町48番地に同棲。1923年岡野は卒業し、海漕業の実家に帰郷。岡野に代わって母が上京し、東中野の川副の駄菓子屋の二階に住んだ。母とメリヤスの販売をしている。市ヶ谷の薬学生の助手、牛屋の女中をしたりした。1929年10月に「改造」に「放浪記」が掲載された。

 私が北海道北見市から、集団就職したのは1968年(昭和43年)18歳の時。林芙美子の上京とは50年のずれがある。母校の北見北斗高校の出身者が、イトーヨーカドー本部にいた縁で小岩店に就職。本当はリクルートに行きたかったが、就職試験が北海道になかったのであきらめた。小岩店での寮生活で、二人一部屋で調理器具がなく、薬缶に即席ラーメンに生卵を落としたという簡単な食事が多かった。大卒と高卒の待遇の違いに気づき、半年で辞め夜間大学へ行くことを決意。高校の同級生が新宿の新聞配達をしながら浪人しているのを摘手に駆け込む。新宿の下落合だった。販売店に大学生や浪人、進学はあきらめて画家を目指して何年もいる人などいろいろな人がいた。翌年、法政大学第二社会学部応用経済学科に進学した。大学は学園紛争中で、一部の学生の暴力に支配されていた。朝刊・夕刊の配達は時間に追われ、自由にならないことや二段ベッドだけのプライバシーのない生活に危機を感じて販売店を辞する。結局販売店で一年過ごした。昼間は生活のために様々な仕事をこなし、夜は暴力反対の自治活動に時間を取られ、帰宅してからの勉学は深夜に限られた。国鉄大井町操車場の清掃、旗屋運び屋、電気器具製造会社、書籍卸業の太洋社、出版の労働旬報社など。多くは住み込みの会社だったが、一時は三畳一間の洗面付きで月6,000円の家賃だった。机が一つだけで寝転がって両手を広げると手が壁にぶつかった。廊下との仕切りは下の部分が15センチほど空いていた。大学での二年目に暴力学生集団の投石を受け、頭蓋骨骨折で二週間の入院の後、田舎の北見市で療養生活。三か月で上京し、学業も復帰。最後の職業は一ツ橋の都内の公立学校の広域生協の事務局に長くいて、営業や仕入れなどの担当に着いた。1975年、生協内の労組を結成し、民主的な生協運動に心を砕いた。ここでは公務員並みの待遇で、結婚した年まで5年間勤めた。
 芙美子の震災前後の放浪は、50年後の東京新宿を起点とした法政大学の飯田橋や神楽坂までの地域を中心にほぼ重なると知った。

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yokomi

私の「放浪記」じゃなく、立志記かと(^_^;) 努力家ですね。お疲れ様ですm(_ _)m それに比べ、趣味のために生きてきた我が人生(>_<)
by yokomi (2020-08-24 20:26) 

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