家造りの始め方7-13 -サッシの選び方2- | 一級建築士の間取り相談室

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次にサッシの形状について考えてみたいと思います。

 

「引違い窓」

2枚以上の窓で構成されており、

横に引いて開閉する窓の一般的な形状です。

左右どちらの窓も動かすことができ大きな形状が作成できるため

特に床まである掃出し窓で採用されることが多くあります。

また、網戸を室外側に設置できるのもメリットの1つです。

 

「全開放窓(折戸)」

引違い窓が半分しか開放できない形状であるのに対し、

折戸形状の全開放窓はサッシ部全体を開けることが可能となります。

掃き出し窓で全体が開くことができると

屋内と屋外を一体的に利用できるというメリットがある一方、

窓を閉めた時はサッシ枠がたくさん見えてくるため

見た目はゴチャゴチャとしてしまいます。

また、網戸は室内側にプリーツ形状で取り付けることになります。

 

「外開き窓」

扉のように左右どちらかを軸として外に開く窓となります。

古い住宅の場合は引違い窓ぐらいしか選択肢が無かったため

小さい窓でも引違い形状が採用されていましたが、

引違い窓は半分しか開閉できないため

小さい窓では開閉面積が限られてしまいます。

そのため近年は小さい窓ではサッシ部全体が開く外開き窓などの採用が増えてきました。

引違い窓と異なり中央に方立も入らないので見た目もすっきりとしています。
ただし外に開くため外部が狭い場合は適さないことと、
網戸が室内側になるというデメリットもあります。
 
「上げ下げ窓」
2枚の窓が上下に移動することで開閉する形状です。
上記の通り、外部が狭い場合は外開きの設置が難しいですが、
上げ下げ窓の場合は枠内でサッシが納まるため狭小地でも設置可能です。
引違い窓と同様に網戸を室外側に設置できます。
 
「ルーバー窓」
数枚の水平の細長い窓が重なっており、その1枚1枚が開く形状です。
ガラスに型板を採用すれば窓を開けている時も
ブラインドの様な目隠し効果が期待できるため、
カーテンなどを設置しづらい浴室で採用されることが以前は多くありました。
一方で開閉時にガラス同士がぶつかって欠けたりすることも多く、
また断熱性能も低いため近年は使用されることが減ってきました。
 
「オーニング窓」
上記のルーバー窓の欠点を解消するため、
ルーバーのように開くのですが
1枚1枚のガラスごとにサッシ枠に収まっている形状となります。
ガラスの欠けや断熱性能の問題もクリアしており、
開閉の角度で目隠しや通風の調整を行うことが可能なサッシです。
 
「フィックス窓」
開閉できない窓です。
風通しは確保できませんが、開く必要がないため枠がすっきりとした形状で
網戸もないため見た目は非常にシンプルでモダンなイメージを演出できます。

 

 

上記は住宅で使用されることが多い形状の一覧ですが、

その他にも「片引き窓」、「内倒し窓」、「横滑り出し窓」といった形状もあります。

また、上記の窓を複数組み合わせて一体としたサッシも作成可能です。