家造りの始め方7-16 -床材の選び方2- | 一級建築士の間取り相談室

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人生で二度とない家造りを、少しでも後悔のない夢のマイホームの実現へ、

まずはフローリングについて見ていきたいと思います。

 

現在ではトイレや洗面室などの水廻りを除いて

床材の全てがフローリングであるという住宅が大半だと思います。

フローリングには大きく分けて複合(合板)フローリングと無垢フローリングに分類されますが、

特に複合フローリングは価格面、耐久性、見た目の暖かさなどから

非常に人気のある建材と言えるでしょう。

 

 

複合フローリングは合板や集成材を下地として

表面に単板、突板や木目調シートを貼り合わせた床材で、

表面の仕上げによって価格や特徴が様々となります。

 

表面が単板や突板のフローリングは表面が実際の木であるため

無垢フローリングにも似た質感があり、

見た目も劣らないような商品もあります。

 

一方シート系の表面材を採用しているフローリングは

見た目の木柄が均一で若干作り物っぽい感じはありますが、

あくまで本物ではないため水や熱などに強く

小さいお子様が食べ物や飲み物をこぼしても全く問題ありません。

床暖房などを施工しても全く気にすることはありません。

また表面に加工がされており多くの商品で傷に強くワックスフリーであり、

商品によってはペット対応なども販売されています。

とはいっても下地は木を使用しているため、

重たい物を落としたり擦ったりすると傷が付くことはありますし、

水に濡れたまま長時間放置するのはあまりお勧めできません。

 

 

無垢フローリングは天然木を1枚ずつ加工した床材になるため、

見た目や足触りの高級感はかなり高くなりますが、

当然その分価格が高くなったり手入れが大変になるというデメリットがあります。

また並べて施工している1枚1枚が温度や湿度によって若干伸びたり縮んだりします。

大きい時には1mm以上の隙間ができるため小さいお子様が見える家庭では

フローリングの隙間に食べ物のカスが詰まったりする心配もあります。

もし飲み物をこぼして少し色が変わったり、物を落として少し傷が付いたり、

フローリングに節があったり1枚1枚の色が若干違ったりしても、

それは自然の風合いということで寛容に受け取ることような

気の持ち方が必要になってくるでしょう。

また床暖房に対応していない商品も多くあり、

当然床暖房対応の無垢フローリングはそうでないものよりも

更に高価になることも頭に入れておく必要があるでしょう。

 

 

複合フローリングにしても無垢フローリングにしても

樹種や木目色が選択肢が多くあります。

明るい木目を採用するのか、ダークなものなのか、ナチュラル色なのか、

その選択が部屋の見た目を決定づけるものになります。

サンプルの確認はもちろんのこと、

リビングなどの重要な部屋は設計士などにイメージパースの作成をお願いして

実際の雰囲気を共有することが必要になると思います。

 

当然のことながら全ての部屋で同じフローリングを採用する必要はありません。

特に無垢材は高価な割にお手入れも面倒になるため、

こだわる空間だけの採用という方も多くいらっしゃいます。

リビングはダークな色味の無垢フローリング、

子供部屋は明るい色味の複合フローリング、、

など部屋ごとの用途で種類や色味を変えることも検討してみましょう。