梅田ベイブルース#6 | BOOGIEなイーブニング!

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が覚めた。


だが、頭はボーッとしている。ねちゃねちゃとオクラのおひたしのようにぺっちゃくっていた地下アイドルとファンのカップルはもういなかった。俺は見知らぬ土地の珈琲屋でポツンとひとり取り残されてしまった。外のテラス席には中国人客がまだいたが、店内には俺一人だけだ。店員がワザとらしく入り口のマットのホコリを取っている。もう閉店時間ですよというサインだろう。これを何も考えずに眺めていた。そして、ふと我に帰る。


俺に残された時間は少ない。明日は新大阪発12:06の新幹線に乗る。タイムリミットは刻一刻堂と迫っている迫っている。


とりあえず心斎橋まで歩くことにした。方向音痴の俺でも、心斎橋までは道一本なので簡単に行ける。

心斎橋の周辺は大型バスが停まり、中国人の観光客でごった返していた。ラーメン金龍で本日2杯目のラーメンをとも思ったが、店には家族連れの中国人がひしめき、とても入れる雰囲気ではなかった。

中国人店員が中国人観光客を相手に中国由来の日本のラーメンを提供する。中国人観光客でごった返していたグリコの橋を通り、このSF映画「猿の惑星」みたいな光景を見て、チャールトンヘストンのようにやっと我に返った。




確かにここは心斎橋だが、

俺が13年前に来た時と

何もかもが違っていたのだと。


そう思うとスナップ写真を撮る気も萎えてしまった。御堂筋線の心斎橋駅まで歩き、地下鉄で梅田駅で降りて、兎我野町を5周してから西中島南方駅に戻った。実は昼間ホテルにチェックインする前に良さげな立ち飲み屋を見つけていたのだ。ホテルからも近いし、この辺なら不慣れな土地でも時間を気にせず、とことん呑めるという訳だ。


お目当ての立ち飲み屋は、ちょうどシャッターを降ろすタイミングだったので、向かいにある中華そば屋兼立ち飲み屋の店に入った。


「昔ながらの中華そば 必死のパッチ‼︎



暖簾をくぐると、うなぎの寝床のような店内は6人の常連客グループで塞がれていた。


そこをぺこぺこと頭を下げながら通り抜けて、カウンターの一番奥に座った。会社帰りなのだろうか、パパママのイベントの打ち上げなのだろうか、店内はミドルエイジの常連客6人が関西弁でなにやら大盛り上がりだ。



これでいい。

いや、これがいいんだ。


そうしみじみと思いながら、優しげな若い店員さんに酎ハイの濃いめをお願いした。

濃いめの酎ハイを身震いしながらペロペロする。と、同時に店内に貼られたメニューをゆっくりと見渡す。なにか強烈に大阪な食べ物を胃に放り込みたい。


山芋のお好み焼き



これだ!これは間違いなく大阪の味だろう。こいつをマヨ抜きで、あと、どて煮を注文した。


熱々のお好み焼きが実に美味い。


隣りのテーブルのワイワイガヤガヤした関西弁が実に心地いい。何杯目かの酎ハイを飲み、気がついたら落ちかけていた。結構な時間居てしまった。


店員さんに中華そばはまだ作れるかと聞いたら、僕のために火を落とさなかったという。そう、最初に「〆に中華そばを食べれるか」質問していたのだ。それじゃあと改めて注文した。


着丼!



なかなかクラシカルな中華そばである。ただ、その前に食べた友愛亭が美味すぎて、残念ながら必死のパッチの中華そばの印象は薄かった。


必死のパッチさんは来店した翌月、8月に閉店されてしまいました。


〆も食べたので、そろそろ一人で寝ぐらに戻るとする。歩いて5分くらいか。ベロッベロの千鳥足状態ではあるが、明日の朝のアラームを15分刻みで丹念にセットした。ご丁寧にアラーム音もいちいち変えた。530に必ず起きる。


時計を見ると既に1時を回っていた。


つづく