心理学者のの分類から知能を「流動性知能」と「結晶性知能」の2つに分類されます。
流動性知能とは
人間は問題を解決する際、周囲の環境から得られる情報や自分の知識の倉庫から、さまざまな情報を引き出して処理します。
引き出された情報は、作業をしているごく短い間だけ記憶にとどまっているため、作動記憶またはワーキングメモリーと呼ばれます。
ワーキングメモリーが大きければ、同時に処理できる情報が多くなり、素早く的確に問題に対処することができるため、「頭の回転が速い」と評されます。
ワーキングメモリーの大きさ、つまり流動性知能の高さは、生まれつきの個人差が大きいのが特徴です。
結晶性知能とは
経験や教育・学習などを通して獲得していく知能です。言語能力、知識、批評能力、自制力などを含みます。
生まれながらの能力ではなく、年齢とともに経験を重ねて蓄積していく能力です。
流動性知能と結晶性知能はそれぞれ単独で働くものではなく、互いに関係し合いながら、さまざまな問題を解決していきます。
例えば、計算問題を速く解くには、算数の知識と数字を感覚的に捉える力の両方が必要です。
推理力や判断力も、今まで培ってきた経験と知識をどれだけ引き出して処理できるかによって左右されます。
結晶性知能は、60歳ごろまで上昇し、その後もほとんど低下しません。
それに対し、流動性知能は、20歳代にピークを迎え、その後は徐々に落ちていき、40代以降は大幅に低下します。
年を取ると記憶力が衰えたり、反応が鈍くなったりするのはそのためです。
流動性知能は、長い間、生まれながら持っている能力で鍛えることはできないとされていました。
しかし、最近の研究では、脳も筋肉と同じように使うことによってある程度鍛えることができると考えられています。
流動性知能を鍛える方法として有名なものに、Nバック課題があります。
アルファベットがランダムに読まれ、3つ前のアルファベットと同じアルファベットが読まれたときにボタンを押します。
例:C J L M N L A I A H K A N O S N T
上の課題の場合は、下線の引かれたアルファベットは、3つ前に読まれたアルファベットと同じなのでボタンを押します。
このように「覚える」と「聞いた情報を処理する」という2つの動作を一緒にすることで、ワーキングメモリーのキャパシティをある程度広げられることが分かっています。
Nバック課題は脳トレゲームとしてアプリなども開発されています。
日常生活の心がけで流動性知能を鍛えられる5つの方法をご紹介します。
1.新しいことに取り組む
常に新しい情報に触れ、新しいことに取り組みましょう。
新しい経験をすると、新しいシナプスが形成され、脳細胞が活性化されます。脳には可塑性があります。
可塑性とは、脳が環境に対して最適なシステムを作り上げるためによく使われる神経細胞の回路の効率を高め、使わない神経細胞の回路の効率を下げる現象です。
2.難しいことにチャレンジする
難しい脳トレゲームに挑戦すると、大きな効果があらわれることがあります。
しかし、本当に脳のトレーニングとして役立つのは、ゲームのやり方がよく分からず試行錯誤している間のみです。
ゲームのやり方をいったんマスターしてしまうと、脳は使わなくてもよくなります。
3.便利なテクノロジーをあえて使わない
携帯電話が普及する前、友達が約束の時間までに待ち合わせ場所に現れないと、私たちは友達が電車に乗り遅れた可能性や、待ち合わせ場所を間違えた可能性など、さまざまな可能性に思いを巡らし対処しました。
GPSが普及する前は、初めて訪れる場所に行く場合、何度も地図を確認し、地図で見る鳥瞰図を現実に見える風景に当てはめて考えていました。
脳をフル回転させて問題解決に当たっていたため、それらの苦労が空間把握能力や推理力の向上に大きく貢献していたことは間違いありません。
便利なデジタルツールは、人間の代わりに問題を処理してくれるため、私たちは脳を使う必要がなくなってしまいます。
便利なデジタルツールをあえて使わない日を設け、脳を活性化させましょう。
4.いろいろな人と付き合う
違う趣味の人と付き合えば、今まで自分の興味なかった事柄にも興味を持ち、新しいことを始めるきっかけになるかもしれません。
まったく違う考え方の人に出会えば、「こんな考え方もあったのか」と自分の常識を打ち破ることができます。
5.よく食べ、よく寝て、よく遊べ
バランスの取れた食事を心がけ、脳は夜寝ている間に昼間の出来事をおさらいし、定着させています。
脳の発達には、適度な運動も欠かせません。
外で思いっきり体を動かして遊ぶことは、元気な脳も作ります。
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